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高尾倶楽部JAZZ LIVE《華岡将生&須古典明 音を描くvol.3》

高尾倶楽部JAZZ LIVE《華岡将生&須古典明 音を描くvol.3》

日時:2019年7月6日(土)18:00~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:華岡将生(フルート) 須古典明(ギター)

 

 

 

華岡将生&須古典明ジャズライブ「音を描く」もシリーズ3回目を迎えました。デュオの演奏の妙味と共に、初めてのお客様の感動と常連のお客様のワクワクが交じり合い、目には見えないけれど、何とも心地よい空気が動くのを感じました。この雰囲気がライブ終了後のディナータイムの会話につながっていました。

 

この時だけのプレミアムな曲の数々

浜辺で馬が速歩する様子、大型犬が波打ち際で戯れる様子が浮かぶ≪浜辺の歌≫、ギターの野太く、力強い和音と吹きながら絞り出すように歌うフルートが描く《アメイジンググレイス》は作詞者ジョン・ニュートンの思いをそのまま伝えているかのようでした。「日本の夏はジャブリを飲むためにある」の話で演奏されたボサノバ調《夏の思い出》、などなど今回も振れ幅大きいライブを堪能していただきました。

 

当日演奏曲目

1.FAIIING IN LOVE WITH LOVE

2.FEELING

3.丘を越えて

4.浜辺の歌

5.アメイジンググレイス

6.シェルブールの雨傘

7.IT COULD HAPPEN TO YOU

8.夏の思い出

9.カッチーニのアベマリア

10.サマータイム

11.(スピーディー・ワンダーの曲)

12.どうにも止まらない

13.シェナンドー

 

シェナンドーとアメリカの歴史

“どうにも止まらない”でライブ感がどうにも止まらない状態に包まれてしまったところでアンコール曲は「シェナンドー」。

「シェナンドー」はアメリカで19世紀前半から歌われている伝承歌。船乗りたちが歌う労働歌、白人の男性が酋長の娘「シェナンドー」に恋をするラヴソング、など様々な解釈があります。長い間に歌い継がれていくうちには様々な歌詞が付けられていきました。優しく静かなメロディー故にアメリカ版《ふるさと》と言われるのも納得できます。

メロディはおなじみですが、どのような背景でアメリカ版《ふるさと》ができたのだろうとネット検索したところ、移民法の制定によって西部への移住を余儀なくされた先住民の苦難の歴史を大阪メンズコーラスのサイトで改めて知ることとなりました。抜粋します。

 

現在シェナンドーの地名が残っているのは、アメリカ東部、アパラチア山脈の南、
ヴァージニア州のあたりです。シェナンドー川、シェナンドー渓谷、シェナンドー山脈、
シェナンドー国立公園など。そこが映画「シェナンドー」の舞台であり、
ジョン・デンバーの「Country Road」でシェナンドー川のほとりと歌われた所です。
わかりやすく言えば、ワシントンDCから車で気軽に行ける所、
東海岸と言ってもいい所です。
アメリカ中部のミズーリ川、ミズーリ州とは全く方向違いで、
仮にミズーリ川→ミシシッピ川と川伝いに行っても、
地理的にシェナンドー川に行くのは不可能でしょう。
一般的に川を行く舟人達のシャンティーと言われていますが、何か気になります。
ホームページでこの疑問を投げかけている人もいますし、
この歌を訳してみようとした人は、皆一度はそのことを感じるのではと思います。
だからこそ、シェナンドーは、「ミズーリ川沿岸に住むインディアンの酋長の名前」
にしておき、そこから新しい物語を作る方が楽です。
この歌の題名も、Shenandoah だけでなく、
Shennydore, The Wide Missouri, The Wild Mizzourye
など、いくつかあるようです。

アメリカの歴史を調べているうちに、次のような史実を知りました。
1830年に、アメリカ東南部一帯に住むインディアン諸国家に対し、
ミシシッピ川の西側に移住させる法律が制定されました。
民族間の問題もあったでしょうが、1828年にアパラチア山脈南部で
金脈が発見されたことが大きなきかけとなったようです。
このあたりに住んでいたチェロキー族は、
1938年10月から翌1939年3月にかけて、
オクラホマまで1300キロを移動していきます。
その移動も、白人が武器を使った強制的で暴力的なものでしたし、
冬の気候の元、劣悪な条件の中での移動でした。
移住者総数1万数千人のうち、4分の1が死んだと言われています。
その行程は「涙の道」と呼ばれています。(後略)

アメリカの移住政策で遠くの地へ命をかけて移住して行かなければならなかった、先住民ーインディアンたちの「涙の道」を思わずにはいられません。

 

ヴィ・マエストロのプレート

季節を取り入れたプレートは毎回楽しみです。今回はとうもろこし。茹でて、粒を外す手間をかけたトウモロコシサラダは香り、甘み共に季節の味わいでした。

 

桂右團治落語会第十三回

日時:2019年6月15日(土)18:00~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

合唱団などに属していらっしゃる方は別として、いい大人が気持ちよく大声を出す機会はなかなかありません。当桂右團治落語会では師匠の指導の下、「健康合唱」を始めに全員で行います。”あ”だけで歌います。今回は八王子馴染みの「夕焼け小焼け」。誰にも遠慮せず、恥ずかしがらず、お腹から声を出す気持ちよさを味わいます。仲間だなあ、とほっこり思う時間です。

 

落語「猫と金魚」

漫画「のらくろ」の作者として有名な田川水泡さんの創作された落語です。

金魚を猫から守るための攻防、商家の旦那さんと番頭のナンセンスな掛け合いがポンポンと両者の口からテンポよく飛び出します。「間」は取るばかりが能じゃないと思いました。

猫と人間

約9500年前のキプロス島遺跡からは猫の痕跡が発見されており、紀元前300年ころの古代エジプトの墓から人間と一緒に埋葬された猫の亡骸が見つかっています。

日本で愛玩動物としての記述が最初に見られるのは平安時代。枕草子、源氏物語、更級日記などに登場します。(Wikipedia)

江戸時代の猫ブーム

昔から鼠を捕る猫は人間の暮らしに欠かせない動物でした。江戸時代になると、浮世絵や文学に登場するようになり、猫ブームに拍車がかかるようになったようです。浮世絵師歌川国芳はたくさんの猫の絵を描いています。どこかで目にしたことがあるのではありませんか。

江戸時代の金魚ブーム

江戸川区役所ホームページ

17世紀中ごろから養殖がおこなわれるようになり、武士が副業として担っていた。そして、浮世絵・浮世草子・川柳等で金魚が取り上げられることが多くなり、江戸時代の後期には狭い長屋に暮らしていた庶民の間にも金魚ブームが巻き起こった。
その後、養殖技術が発達し、天秤棒に提げたタライの中に金魚を入れて売り歩く金魚売りの声は江戸の夏の風物詩になった。夏の風物詩金魚すくいは江戸時代後期に始まった。

「招き猫」は江戸時代に生まれたらしい。日本記念日協会が9月29日を「招き猫の日」と認定しています。

 

刀屋(おせつ徳三郎)

前回、3月30日の演目「花見小僧」後編です。

おせつを殺して自分も死のうと刀屋の店先で主人と問答をする徳三郎。凛とした態度で徳三郎を宥め、心を開かせる刀屋主人が目の前にいて、徳三郎ばかりか、私たちにも人の生きる道を説いているかのように感じました。師匠が演じる人情噺は聴く者の気持ちを優しく包み込みます。

 

ディナータイム

 

ヴィ・マエストロ店主遠藤ご夫妻心づくしのプレートは毎回楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

師匠交えての会話にはお客様の笑顔が溢れます。落語会、ジャズライブで顔見知りになった同士の話は趣味の話から宇宙の話まで落語に登場する人物に勝るとも劣らない、取り留めのなさと豊かさは高尾倶楽部ならではのお楽しみです。

 

桂右團治落語会第十二回

桂右團治落語会第十二回

日時:2019年3月30日(土)16:00開演

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

 

都内から一歩遅れて桜が街並みを彩り始めた高尾、ヴィ・マエストロ窓外の桜は8分咲き、花冷えの中、12回目の落語会を開催いたしました。

桜と日本人の関わりは古事記の中にも記されています。挿頭草(かざしぐさ)、曙草(あけぼのそう)、夢見草(ゆめみぐさ)など様々な名前を持っています。この三つは桜の異名として有名だそうです。「だそうです」と書くくらいですから、私はこの有名な異名を今の今まで知りませんでした。知ったかぶりをしてみたいものですが、むやみに知っているふりを落語のネタになってしまいそうです。

 

今回一席目に登場する人物は「世の中のことで知らないことは何もない!」と豪語するご隠居です。

 

やかん

「世の中では先生と書いて、『せんせい』と読ませるが、落語業界に入ると先生は『先ず生きている』と読ませる」と師匠が紹介しました。既にこの段階でなにやら怪しげな、おかしな話が始まるなと、前のめりになります。

落語には噺家の仕草、語り口で宇宙さえも想像できてしまう面白さがあります。また、登場人物が語る怪しげな講釈の中にもなるほどねと納得したりする面白さもあります。

<やかん>ではご隠居さんが語る「猫も杓子も」は「女子(めこ)も弱子(じゃくし)もで、老若男女のことだ」になあるほどと思いました。ほんとうかな。

落語の決まった長セリフを立て板に水のリズムに乗った”言い立て”にも心躍ります。<やかん>では武田信玄と上杉謙信両軍が繰り広げる川中島の合戦が語られます。桂右團治師匠の心地よい流れるような活舌に身を任せる気持ちよさに酔ってしまいます。言い立ての内容がまでも頭から流れてしまうのが難点です。

サゲにヤカン頭の由来がわかり笑って納得しました。しかし、ほんとかな?

 

花見小僧

大店の一人娘、それも年頃となれば旦那様の気苦労も一方ならぬものがあるとこの噺を聞いて今更ながらに感じます。小僧に飴と鞭を使い分けてようやく聞き出すことができた実態に怒り心頭の旦那様は、小僧には約束の休みと小遣いは与えず、一人娘の相手と分かった店の若い者徳三郎には暇を出してしまう。

「この続きは改めて。今日はここまで」と噺がプツン!と終わってしまいます。小僧、徳三郎が唖然とするのは言うまでもないことですが、それから、それから、、、と聞いていた私たちも唖然としてしまいました。

続きは「刀屋」で。ということですね。

〈花見小僧〉に出てくる長命寺桜もちは桜の葉3枚に包まれています。ホームページには〖葉を外してお持ちに移った葉の香りと餡の風味をお楽しみください〗とあります。

 

ヴィ・マエストロのプレート

高尾倶楽部は落語とジャズのライブを楽しむことを目的としています。同じ時間、同じ場所でみんなで楽しむ特別な遊び時間を提供したいと考えています。

食事タイムには隣り合った人、向かい合った人、周りにいる人たちとの会話、師匠やジャズ奏者との会話もごちそうの一部です。ヴィ・マエストロ遠藤ご夫妻が作るプレート、ワインやビール、そして店自慢の1杯づつ入れる自家焙煎のコーヒーも賑わいを深めます。

 

 

JAZZものがたり

JAZZものがたり

日時:2019年2月23日(土)18:00~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:華岡将生(フルート) 遠藤征志(キーボード)

主催者は一人でも多くのお客様に楽しんでいただきたいといつも思います。そのために企画を練り、出演者とも相談し、準備を整えます。素敵な企画!行ってみよう!と気持ちを動かしていただけるために何をすべきかいつも楽しみながら悩みます。

今回の企画もその道をたどり、その結果、会場の収容人数(30名程度)が少ないこともあり、お申し込をお断わりするという心苦しく、かつ嬉しい悲鳴を上げることとなりました。このお二人のライブを6月8日(土)にロゴス教会で開催いたします。こちらは定員は100名です。ご来場をお待ちいたしております。

夢空間La Musicaが開催するジャズライブはいわゆるJAZZという枠を外れて、出演者しか奏でることのできない音楽をソロで、デュオで楽しむ「音楽ライブ」です。

 

当日、最初の曲目は遠藤征志さん作曲のご機嫌な気分全開「キンゲンゴ」。一気に華岡将生&遠藤征志の世界、もっと正確に言えば、お二人の懐に吸い込まれました。映画音楽、ジャズ、歌謡曲などなどがワクワク、えっ!と意表を突かれる編曲で登場する数々の演奏に楽しく翻弄されました。

当日のプログラム

キンゲンゴ(遠藤征志作曲)

いそしぎ

シランクス

悲愴第2楽章

源氏物語第一帖「桐壺」(遠藤征志作曲)

べサメ・ムーチョ

丘を越えて行こうよ

永遠の人(遠藤征志作曲) 他

今回特筆すべきはドビュッシー無伴奏フルート曲「シランクス」とベートーヴェンピアノソナタ「悲愴」第2楽章でした。

 

ドビュッシー無伴奏フルート曲「シランクス」

無伴奏フルートのため作品としては、J.S.バッハやテレマンの作品とともに、フルーティストには欠くべかざる作品となっているそうです。

約2分半の短い曲ですが、フルートの音色を極限まで追究したと感じさせる、ドビュッシーの独創性を存分に味わうことができる作品でした。始まりから終わりまでたゆたうように流れる、神秘的で麗しいギリシャ神話の妖精の姿が描き出されました。

 

 

今回が人前での初演奏とは思えない、華岡将生さん奏でる音の芸術に魅了されました。

 

ベートーヴェンピアノソナタ「悲愴」第2楽章

重く、ズシリと突き刺さるように始まるソナタですが、今回演奏された第2楽章は少し軽やかで、穏やかです。CMやドラマ、映画で聴く機会も多い楽章です。テレビドラマ「相棒」にはクラシック作品が使われる機会が多いように個人的には思います。ここでも使われていました。

遠藤征志さんは楽器がキーボードというハンデを極限まで小さくした演奏を披露してくださいました。この曲以外、ライブ全ての演奏でキーボードの可能性を広げる演奏で楽しませていただきました。キーボードで繊細なタッチの違いを感じさせる奏法には驚きました。

 

 

6月8日(土)にはこのお二人のSpecial Liveロゴス教会で予定しています。ここではグランドピアノに加え、パイプオルガンの演奏も行われます。ご来場をお持ちいたしております。

 

 

 

マエストロDE落語「桂右團治落語会」第十一回

マエストロDE落語「桂右團治落語会」第十一回

日時:2019年1月12日(土)18:00開演

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

寒い、寒い、氷雨が降り出した中、早々にお越しいただいたお客様同士の「おめでとうございます」の明るい声も響き合い、ヴィ・マエストロ店内は空調に人の温かさも足され、開演前からほのぼのとした 空気に包まれました。

マエストロDE落語でしか行われない全員参加健康増進イベントが桂右團治師匠のご指導の下で折々に行われます。今回は健康と誤嚥性肺炎予防効果が期待できる、のどの筋肉を鍛える3種類を体験しました。鏡の前で自分の姿を眺めながら行えば、笑ってしまうこと必至。笑ってかつのどの筋肉鍛えることができる一石二鳥の知恵でした。

 

 

 

演芸場のお正月風景話から芝居小屋のお話になった時、師匠の問いかけに客席から昭和30年頃まで千人町には芝居小屋があった、中町にもあったという声が上がりました。時の流れを感じた瞬間でした。

“お膝送り”という言葉を初めて聞きました。芝居小屋などで後からの人を入れるために座っている人につめてもらうときのあいさつで、「恐れ入ります、お膝送りを願います」というように使うそうです。電車内でこの言い方をすると和やかで気分もよくなりそうです。

もう一つ畳敷きの芝居小屋では木戸銭を払ったお客は小さな座布団(=半じょう)を渡されるが、無銭で入り込んだ人(伝法と呼ばれる)にはそれがない。「お膝送り」しても間に合わないほど混雑している時は芝居小屋の人間がただ見客(=伝法)を追い出すべく、”半じょう改め”を行うというお話し、

もう一つ、落語にはオチがあって終わるが、オチがない講談はどうやって終わるか?と言うと、いいところまで読んで、「この続きはまた明日」と逃げる、この3つで感心したり、笑ったりしたマクラから始まったのが

落語一席目「芝居のけんか」

幡随院長兵衛と旗本奴の水野十郎左衛門の喧嘩を元にした噺です。芝居小屋の人間が幡随院長兵衛の子分、雷重五郎を間違って伝法と決めつけてしまい大変なことに。ここに水野十郎左衛門の仲間白鞘組が関わってきて、てんやわんや活劇よろしく、もう大喧嘩に発展して、、、大変なことになってきた。。。これからが面白いところですが、この続きはまた明日!

噺の語り口も終わり方も講談そっくりでした。師匠の噺のリズムに乗って、それからどうした、それからどうした、と膝を進める気分でいたところ、急ブレーキがかかりました。落語を聞いて、急ブレーキを体験したのは初めてで、一瞬ぽかんとしてから笑いがこみあげてきました。

 

 

ヴィ・マエストロのマスター遠藤さんの趣味の一つが陶芸です。店で提供されるカフェオレの器など直接作品に触れることもできます。そんな遠藤さんに師匠が陶芸作品の目利きについて問いかけたところから二席目のマクラが始まりました。量産品の茶碗は1個15円でできるといった情報が客席から寄せられました。そして、来歴がきちんとしている、箱書きがあるなど値に大きく影響する条件についても話が出ました。これから語られようとしている「はてなの茶碗」にピタリな話が飛び出した次第です。

落語二席目「はてなの茶碗」

清水寺の音羽の滝の前の茶店で出される茶碗、何でもない量産品だが、ちょっとした勘違いからあれよあれよという間に値が吊り上がっていく様には人間社会の可笑しさがぎゅっと詰まっています。それにしても千両とは。

分不相応な買い物をする時、思い切った決断をする時、「清水の舞台から飛び降りる」と言います。落語「はてなの茶碗」を聞いていてこの言葉が思い浮かびました。まさか本当に飛び降りる人はいないだろうと思っていたら、日経電子版に次の記事を見つけました。

「江戸時代、ここから234人が飛び降りました」。清水寺の学芸員、坂井輝久さんが淡々と話す内容に思わずハッとした。(中略)江戸時代の1694年から1864年のうち、欠落部を除く148年分の記録が残る。成就院は境内の事故を町奉行に報告する義務も負い、飛び降りた人の年齢や性別、居住地、動機などを詳細に調査、記録した。
それによると、全体での死亡者は34人で生存率は約85%。

重要なのが飛び降りの動機。「観音様に命を預けて飛び降りれば、命は助かり願いがかなうという民間信仰からです」と坂井さん。「成就院日記」にも、動機として「自分の病気の治癒」「母の眼病」「暇がほしい」などと記されている。決して自殺願望からではなく、あつい信仰心からだったのだ。(中略)飛び降りの風習は1872年(明治5年)に京都府が禁止令を出し、次第に沈静化。(後略)

 

新春のプレート

落語会後はヴィ・マエストロ遠藤夫妻のおもてなしプレートを楽しみながら、偶々隣り合った方、同じテーブルの方とで話に花が咲きます。師匠もその輪に入ってお客様の感想などに耳を傾けられます。

今回は話しをしてみたら高校時代の同窓生と判明し、当時の話に花をさかせた方もいらっしゃいました。

 

 

 

 

アイリッシュハープと過ごすChristmas Night

開催日:2018年12月22日(土)

場 所:ヴィ・マエストロ

出 演:梶伸子

一口に「小型ハープ=アイリッシュハープ」といってもたくさんの種類があり、メーカによって弦の張りや本数、大きさ、重さ、音色など様々で、音域もさまざまです。しかし、種類は違っても、大変優しく、癒される音を奏でる楽器であることは共通しています。抱えて演奏するため、弾いているハープの響きが身体中に振動となって、伝わります。リラックスでき、大変心地がよいです。

梶伸子さんが演奏するアイリッシュハープは小型で高さは80センチ弱、22弦の「イブ」です。

5度、3度のユニゾン、減衰していく音、2つの音の響き合い、連続音の美しさなど演奏者梶さんのお話とアイリッシュハープ「イブ」が奏でる楽曲に耳を澄ましました。シンプルな音の美しさとそこに潜む華やかな響きに包まれる心地よさに心身ともに癒されました。

プログラム

おおサンクティシィマ

世の人忘るな

クライスト・チャールズ・ララバイ

きよしこの夜

きらきら星

雪のモデット

クリスマス・パイプス

牧人ひつじを

ブライアン・ボルー・マーチ

主よ人の望みの喜びを

シチリアーノ

ジングルベル

みんなで歌うクリスマス

赤鼻のトナカイ we wish a merry christmas きよしこの夜

 

梶伸子さんのメッセージ

人生100年時代、AIと共存する時代、

ココロとカラダに効く音楽の重要性と

必要性も生まれました。

未来人として生きていく私たちを、

これからの世代を、シンプルな音楽の

原点に連れていってくれるアイリッシュハープ

という楽器を、シンプルな美しい音色をお楽しみ

ください。

 

ヴィ・マエストロのワンプレートディッシュ

味わい、質感、色合い、いつも楽しみなプレートです。

 

 

桂右團治落語会第10回

桂右團治落語会第10回

日時:2018年10月6日(土)18:00~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

2018年3月に始まったマエストロDE落語は今回で10回目を迎えました。地元のみなさまに愛される落語会、桂右團治師匠の落語を楽しむことが第一の目的なのは言うまでもないことですが、これに加えて、ここでの出会い、交流の時間を大いに楽しむことも目的です。

マクラ噺の前に、当初に毎回行っていたプチイベント、「あ~~」だけで『ふるさと』を歌います。「あ」を発音する際、お腹から声を出すため、健康によいそうです。歌う健康体操と言えます。

初参加のお客様も多くいらっしゃいましたが、師匠の声を凌駕する大きな「あ~~~」でヴィ・マエストロが埋め尽くされました。この落語会ではお客様と師匠、そして会場のヴィ・マエストロの店主との一体感も目玉の一つです。

演目

替わり目

酒飲みの癖としてあるさまざまな上戸の例、鶏上戸、壁塗り上戸、薬上戸、眠り上戸などを挙げて面白おかしく展開されたマクラ噺から始まったのは典型的亭主関白亭主とおかみさんが登場する「替わり目」です。おかみさんを目の前にすると乱暴な口利き、命令調の口利きしかしない亭主が、本当はおかみさんにとても感謝していると独白する姿は微笑ましい夫婦の機微をほのぼのと味わえる演目です。

噺の中におでん種が出てきます。がんもどき、はんぺんは今でも家庭のおでんでもなじみ深い種ですが、八頭、焼き豆腐は今ではおでん屋さんにある種かな。

火焔太鼓

師匠は時計が止まったような、陽だまりのような感覚になれる場所と感じる古道具屋が大好きだそうです。
もう一つ好きなのが図書館。充満した本の匂いが好ましいそうです。師匠が好ましいと言われる「匂い」は「にほひ」が当てはまるかなとお話を聞きながら思いました。

古道具屋のおはなしということで古物を鑑定する番組で今までの最高額が5億円、それに続いて3億5千万円、2億円、1億8千万円とつづくそうです。これにもびっくりしますが、噺に出てくる火焔太鼓はなんと3百両という値が付いたのですから登場するおかみさんの驚きを想像してしまいます。

噺の終わりで甚兵衛さんが五十両、百両、百五十両と懐から出すたびに、おかみさんの驚きのボルテージが上がっていく様を演じる師匠の技にはまり込みました。前半では亭主を馬鹿にしきって差配していたおかみさんの横暴ぶりがここにきて一転、色気ある驚きの姿に変わる様も師匠ならではの醍醐味でした。

ヴィ・マエストロの食事を楽しむ

毎回季節を組み込んだ逸品がお皿の上に並びます。秋ということでサツマイモご飯がおにぎりに加わりました。かぼちゃやリンゴなどの入ったサラダは収穫祭をイメージしました。

夏のひざしが戻ったこの日は初めの一杯はビール!という方が目立ちました。

グラス片手に、テーブル内では話がはずみます。師匠も加わり、落語とは別の笑顔が花開きました。

 

壁の絵画

山吹色が何とも美しく、収穫の華やぎが壁一面に広がっています。作者はヴィ・マエストロ店主の奥様です。店主の奥様であり、画家としての顔もお持ちの素敵な女性です。

 

 

ラグジュアリー・ナイト・ジャズ開催しました

ラグジュアリー・ナイト・ジャズ開催しました

開催日:2018年9月8日(土)

場 所:ヴィ・マエストロ

出 演:かなさし庸子(Vo)華岡将生(Fl)須古典明(Gt)

 

 

フルートの華岡将生さん、ギターの須古典明さんは夢空間La Musica主催、高尾倶楽部ジャズライブではおなじみとなり、人間味あふれるデュオの音楽を楽しみにされているファンも増えつつあります。今回はヴォーカルのかなさし庸子さんがそこに初参加いたしました。

女性の柔らかな華やぎがお客様に伝わったのか、開始前からトリオとお客様の間で言葉にはならない、温かな交流が生まれていました。

 

歌謡曲、歌曲、映画音楽、シャンソン、スコットランド民謡、ポップス、、、など様々な分野の楽曲がこのトリオの刻むクリアで、表情豊かな音色とリズムを纏い、この時だけの音楽となって現れました。トリオと客席で交わされる無言のキャッチボールがを紡ぎだす空気も心地よく、会場が一体となりました。大人だからこそ堪能できるラグジュアリーな夜でした。

音楽はもちろんですが、お客様一人一人とおしゃべりするように行われた曲紹介を兼ねた三者三様のお話にも気持ちが広がりました。

「A41枚の譜面があれば、20分でも演奏し続けられる」という須古さんのお話はそうでしょう、そうでしょうと得心しました。

 

感動の涙、笑顔がこれほど凝縮されたライブは珍しいと思います。フルートの華岡将生さんが「須古典明さん、かなさし庸子さんの音楽は体と心の栄養」と表現されました。華岡将生さんも加わっての体と心の細胞隅々まで行き渡る感動という栄養でした。

 

夢空間La Musica主催、高尾倶楽部ではライブ終了後、出演者と残られたお客様とがグラスを片手にテーブルを囲んで、音楽の話、その他もろもろ話題を提供し合い、愉快なコミュニケーションタイムが始まります。日常の身の回りでは体験できない大人の遊び場です。

 

ライブ途中で提供されたヴィ・マエストロ特製プレートはいつもながらに、お客様を見た目とその美味しさで楽しませる逸品。これに一品でランチメニューとなるボリュウムあるサンドウィッチが添えられました。

 

こちらもご覧ください→かなさし庸子さんライブ後記

次回高尾倶楽部のイベントは桂右團治落語会第十回です。

 

源氏物語54帖の響- 文字の源氏を音の源氏へ -

源氏物語54帖の響- 文字の源氏を音の源氏へ -

2018年5月13日(日)

渋谷セルリアンタワー能楽堂

遠藤征志ピアノリサイタル 源氏物語54帖の響 Vol.1

 

御簾越しに見る世界、その深遠、神秘、計り知れない王朝絵巻が、ピアニスト遠藤征志さんの手により音となって、御簾を通り越して届きました。平安時代の王朝人の息遣いを肌で、耳で感じました。音の世界ですが、静寂という表現がふさわしい舞台でした。

 

甘美、ふくよか、深い音色、低音の力強さ、遠藤征志氏の体から生まれるベーゼンドルファーの響きが登場する女御たちの複雑な内面を浮かび上がらせていました。ウィーンと平安絵巻がこんなにもしっくり結び付くことに驚嘆しました。

能楽師津村禮次郎氏はピアノが生み出す音を纏い、文字を舞と謡に。抑制のきいた動き、目線、指先、足先すべてが語りかてきました。

日本文学者林望先生が語られる源氏物語は”文字の源氏を言葉の源氏へ”という表現が当てはまる素晴らしい時間でした。林望先生から遠藤征志さんは次のようなメールをいただいたそうです。

「じっくりと聴きながら、心に浮かんできた各曲の題名は、次のとおりです。

1,桐壷     追懐
2,葵(葵上)  悲愁(Elegie)
3,葵(六条)  孤独(Baroque)
4,若紫(紫上) 無垢(Innocence)
5,花宴(朧月夜)翻弄(Romanesque)
6,末摘花    不調和(Capriccio)
7,紅葉賀(藤壷)運命(Sin)
8,夕顔     逃亡(Disappearance)
9,花散里    諦観
10, 空蝉      憧憬(Nostalgia)
11, 須磨・明石    疾駆

ちょっと話の種ばかりに。  林 望 」

当日会場での音、舞が新たな命を纏ってよみがえります。

 

今回、初めて縦の時間軸を描くことに挑戦された遠藤征志さん、「54帖すべての作完成に向けて、これからも精進いたします」との決意の言葉に、会場から「早くしてくれ!こっちは時間がないぞ!」とユーモアと愛情あふれる声がかかりました。

桂右團治落語会第九回- マエストロDE落語 -

日時:2018年5月12日(土)

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

会を主催する立場に立つと、いつも気になるのはお客様の集まり具合です。どうしても一喜一憂してしまいます。しかし、それは会が始まるまでのこと。始まったらそのようなことはどこかに吹き飛び、会を開くことができた高揚感に満たされてしまいます。これもいつものことです。わかっていても毎回繰り返します。

今回は落語初体験の方も多く、熟れた笑いと気持ちキラキラの笑いが交じり合う不思議な心地よさが漂っていました。

 

枕噺 人間万事塞翁が馬

枕噺として出された「人間万事塞翁が馬」。師匠は「じんかんばんじさいおうがうま」と言われました。「にんげん」だとばかり思っていたのでえっ?と不思議に思い、これについて調べた結果、次のことがわかりました。

中国語では「人」と書けば人そのものだが「人間(じんかん)」と書くと世間を意味する。「人間万事塞翁が馬」の意味を考えると「人間」は「世間」意味するので、由来にこだわりたいのなら「じんかんばんじ・・・」という言い方になる。(出典:日本文化研究ブログ)

 

師匠の近況報告 外国人も楽しめるRakugo&Kamikiri

桂右團治師匠が紙切りの林家今丸師匠とタッグを組んで外国人向けに日本の古典芸能を英語で披露する活動を始めています。「時そば」の前半部分を英語で語っていただきました。難しい単語は一つもなく、日本人も外国人と一緒に笑えること間違いなしです。日本人は英語の表現に笑いを誘われるのではないかと思いました。外国人は落語のどこに可笑しみを感じるのか聞いてみたいです。

ご要望があればどこへでも出向くそうです。

 
落語「風呂敷」

落語を聞いて記憶の隅っこに追いやられていたことが浮かび上がってくることがあります。「風呂敷」では今あまり口に上らなくなったことわざに再会しました。ことわざを妙に言い間違える、勝手に解釈するところが愉快です。

「瓜田に履を納れず」「李下に冠を正さず」最近とんと耳にしなくなったことわざです。人間、このように生きたいものです。

「貞女は二夫にまみえず」「女三界に家なし」こちらのようなことは馴染まない世の中になりました。

 

落語「三味線栗毛」

座頭になるためには10両、匂当では百両、検校となると千両の上納金が必要とは驚きです。当時の貨幣価値で1両が10万円ということですから座頭になるためには百万円が必要だった、検校となると1億円!一体どのくらいい働けば百万円が貯まったのだろうか。座頭になるのが夢だった錦木は酒井雅楽頭となった角三郎との約束で検校にしてもらった。錦木はいったいどのような検校だったのだろうか。そういえば学者塙保己一も検校だった。

 

小松先生のお話

師匠の枕噺で英語が話題になったことを受けて、江戸時代の外国人との関わりが取り上げられました。

1854年2月10日、日米和親条約締結のための初交渉の舞台となったのが日本橋室町浮世小路にあった高級料亭「百川」。この時、江戸城まで運ばせた料理は伝統に基づいた本膳料理で、費用は2千両(現在の600~800万円*幕末近くは1両が3000~4000円との説をもとに算出)。デザートとして出されたのは当時は貴重品中の貴重品だった氷で冷やした柿に甘酒のようなものをかけた一品だった。幕府が最高のもてなしをしたことがここからもうかがえる。

落語「百川」は料亭「百川」の宣伝用に作られたとも言われている。1870~80年代には江戸で落語を楽しむことができるところは250軒もあったが、今、定席寄席は4軒のみ。

小松先生のお話で描かれる江戸時代の日本橋室町は風情に満ちています。再開発で様相が大分変ってしまった日本橋界隈ですが、先生の案内で横丁探索してみたいものだと思いました。まだまだお江戸日本橋に出会えそうです。

 

落語会後の交流

ヴィ・マエストロの粋なひと皿と師匠、隣り合った人との交流も心地よいひと時です。興が乗って時間が飛ぶように過ぎていきます。