人間と暮らせば 猫の独白その4

サンチョ

 

この家でサンチョと命名された。

正式には二代目サンチョ・パンサ。

ドロシー姉さんには偽物サンチョと呼ばれ、心外。

 

公園で拾われて、動物病院そしてこの家に来た。

動物病院の先生はぶっきらぼうだけど、優しかった。

先生とは僕が虹の橋を渡るまで付き合いが続いた。

あまり行きたくない場所だったが、

義理を重んじる僕は診察台の上では礼儀を忘れなかった。

 

お母さんは見果てぬ夢を抱えて日々前進だ!という。

見果てぬ夢ってなんだ?と思った。

大地を自由に闊歩することだろうかと思って、

外に飛び出したことがあった。

真夏の外は夢にはほど遠い世界だった。

早朝と仕事帰りに毎日僕を探していたのは知っていた。

3週間後にお母さんに捕まえてもらった。

この時からおかあさんの言うことにはどんなことでも従うことにした。

僕は義理を重んじるから。

そして、僕の夢はたぶん、人間と暮らすことだったんだろう。

 

 

最後の瞬間が来た時、

僕はお母さんに腕枕を要求したんだ。

お母さんの腕の中で大きく息を2回したんだ。

最後の最後まで義理を大切にしたんだ。

僕の誇りだね。

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