オペラ「ルル」

2021年8月29日(日)

新宿文化センター大ホール

(地図:新宿文化センターHP  写真:ウィキペディア)

 

「検温」「手指消毒」「なるべく無言」「マスク着用」、

相変わらずのこの四点セットを通り抜け、ようやくルルに出会えた。

 

二期会オペラ劇場「ルル」

(写真:新宿文化センターHP)

 

連日報道されるコロナウィルス感染拡大に不安がぬぐい切れないものの、

多くの人と楽しむ「偕楽」に身をゆだねる贅沢な時間だった。

【出演者】

ルル               冨平安希子

ゲシュヴィッツ伯爵令嬢      川合ひとみ

劇場の衣装係、ギムナジウムの学生 杉田由紀

医事顧問             加賀清孝

画家               大川信之            

シェーン博士           小森輝彦                     

アルヴァ             山本耕平

シゴルヒ             狩野賢一

猛獣使い、力業師         小林啓倫

公爵、従僕            高柳圭

芸場支配人            倉本晋児

管弦楽              東京フィルハーモニー交響楽団

指揮者              マキシム・パスカル

*相関図はプログラムより抜粋

 

語り歌い

明るい「長調」と「暗い」短調のヴァリエーションがあるのが音楽、

と思っているけれど、このオペラはそれがない。

無調で繰り広げられる語り歌い。

初めて出会ったオペラ。

語り歌いに引き込まれた。

オペラ「ルル」は無調で初めて味わい深い作品になると確信。

出演者の技量のなせる業。

オーケストラ、指揮者のなせる業。

 

オーケストラも歌っている

オペラ公演にはオーケストラはつきもの。

その演奏があって、オペラの楽しみが完成することは自明の理。

と無意識に思っていたことに気づかされる公演だった。

オーケストラも歌い手だった。

いつもは少し息をつく間奏だが、ここでは聴き入り、

また演奏者一人一人を凝視する思いだった。

 

指揮者も歌う

マキシム・パスカル氏のダイナミックな動きは

狂おしくルルを求める男性たちの内面と、

ルルの狂気、愛情、憎しみが反映されていたのではないかな。

 

観客に小学生姉妹が

休憩時間におそろいの洋服でちょっとだけお洒落した小学生姉妹のお客様発見。

激しく狂おしいルル、おぼれる男性たち、

愛憎劇をかわいらしいお嬢様二人はどう感じているのかな?

どう楽しんでいるのかな?

とても興味をひかれました。

後で知ったのですが、どうやらお二人は

「ルル」役冨平安希子さんのお子様たちだったよう。

どんな感想を持ったのかな?

お母さんにかわいらしい厳しい批評をするのかな?