宮本亜門演出オペラ「魔笛」

2021年9月12日(日)

東京文化会館大ホール

W.A.モーツァルト「魔笛

 

先日のルルに続いてオペラ、魔笛。

昨年5月、新しくなった上野駅公園口改札口を探してしまい、

今回は新宿方面山手線ホームに少し探した。

周辺の人出は思いのほか多かった。

 

【プロジェクトマッピング】

以前、プロジェクトマッピングが活用されたバレエ「夏の夜の夢」では、

幻想世界に一気に引き込まれた。バレエとプロジェクトマッピングは相性がよいのか?

今回が2回目。舞台装置のメインがプロジェクトマッピングだった。

バレエと違ってオペラの舞台が映像で作られていることに体が馴染むのに少し時間が必要だった。

鑑賞する側はともかく、映像の中で演じるって大変なのではないかと思った。

 

【宮本亜門氏演出を楽しむ】

現実世界の家庭内騒動から魔笛の世界に飛び込んでいく出だしに

なんだ?、何?、いったいどうなるの?と

いつもとは全く違う個所の感覚を刺激された。

現実世界から仮想世界の「魔笛」に入り込み、

最後に現実世界の家庭に戻ってくる設定。

解説によると、仮想世界「魔笛」で繰り広げられる騒動は

ロールプレイイングゲームとのこと。

今の世相をチクリと刺していると思わせる台詞はこの構造だからできた。

宮本亜門氏の息遣いを感じさせる舞台。

お話の世界なのに、我々の実生活と密接に結びついていると思わせ、

共感度がとても高い舞台でした。

(出典:プログラム)

【オペラ歌手の奮闘にびっくり】

ミュージカルかと思うほど軽やかに動き回るオペラ歌手。

出演者の技量と奮闘に感動。

  • 夜の女王の侍女3人はちょっと笑えるエロティックな衣装で軽やかにステップを踏みながら歌う
  • パパゲーノは全身全霊で動き回る道化師のようではあるが、オペラ歌手としてきっちり歌う
  • 舞台転換を引っ張っているのはパミーナ、タミーノかと思うほどの動き  などなど

 

【夜の女王のアリア以外は知らない???】

アリアでひときわ大きな拍手が起こったのは夜の女王のアリア。

魔笛で一番人気はやっぱり「復讐の心は地獄のように胸に燃え」なのね。

開演前に後ろから聞こえてきた会話でもそれがうかがえる。

「魔笛のアリアって何?」

「夜の女王のアリアしか知らない」

「私も」

・・・・

魔笛には様々なアリアがあって、どれも魅力的。

パミーナ(盛田麻央)のアリアに夜の女王のアリアと同じくらい拍手が欲しかったなあ。

 

【生活の中の美】

芸術は特別の場所にあるのではなく、暮らしの中にある。

個人的にはクラシック音楽が一番生活に強く結びついている。

音楽、演劇、絵画、書籍、どこにでも美を見つけることができる。

夢空間La Musicaは「自分の美は何か」を意識するきっかけになれたらいい。

そして会話するきっかけになればもっといい。