猫の本

保護猫と暮らして40年余り。

書店に行くとどういうわけか

「猫」「ねこ」が目に飛び込んでくる。

そして購入する。

最近は文庫本ばかり。

一昔前から本棚に鎮座する猫の本を

久々に開いた。

 

猫の建築家 

作:森博嗣

画:佐久間正人

猫は建築家だった・・・

で始まるこの本は一風変わっている。

猫はむやみに外を歩き回るのではない。

思慮し、観察し、「美」について考える。

日本語と英語が併記されており、

哲学者のような建築家猫に刺激を受けるのみならず、

英語表現のお勉強もできてしまう。

 

猫のさとり

著者:岩崎るりは

写真:古瀬恵一

街中で暮らす猫たちが

般若波羅蜜多心経を読み解いてくれる。

膝に載った猫の温かく、柔らかい体を

なぜながら読むといっそう心に沁みる。

と、思う。

 

作家の猫

編者:コロナブックス編集部

藤田嗣二作猫のスケッチ画に出会った時、

猫の伸びやかな命を感じた。

本当は猫は好きではなかったかもしれない

夏目漱石から始まり、藤田嗣二、

いつも10匹以上の猫と暮らし、

来世でも猫と共に生きることを望んでいた

大佛次郎、ほか内外の作家、芸術家たちと

猫のかかわり方はとても興味深い。

 

猫の時間

え:おおくぼひさこ

ぶん:中井戸麗市

写真家が絵をかき、音楽家が文を紡いだ絵本。

中井戸麗市さんは忌野清志郎さんの

RCサクセッションでギター担当だった方。

清志郎さんとは個人として付き合いがあった。

その精神の美しさ、しなやかさにいつも惚れていた。

ロックは心の優しさを表現する、と聞いたことがある。

中井戸麗市さんのロックな心が猫の絵本になった。

 

100万回生きた猫

作・画:佐野洋子

言わずとも知れた絵本。

子どもが小さい時、何度も読み聞かせた。

当時の絵本は寄付してしまったため、

昨年改めて購入。

1977年10月20日第1刷発行

2021年1月6日第120刷発行

44年経って、120刷。これは凄い。

昨年の夢空間La Musicaコンサートでも

取り上げられた。

 

最後につい先日購入した文庫本

世界を旅する黒猫ノロ

写真・文:平松憲三

平松憲三氏に拾われた黒猫ノロが

20年間で37か国を主と共に旅した記録。

主の行動を知って、

暮らしを楽しむ工夫自体が娯楽、と気づいた。

黒猫ノロが主との旅を心底楽しみ、

環境適応ではなく、環境を使い切る精神に感動。

人間味、猫味に魂をつかまれた。