4月1日コンサート

春だというのに気温は真冬、これこそエイプリルフール?と思う4月1日に開かれたそのタイトルも「4月1日コンサート」(於:代官山教会)。河口三千代さん(ソプラノ)の企画で、音楽と語り、落語のコラボでした。ちらし、チケットの製作、プログラムデザイン、そして当日スタッフとして参加しました。当日は急遽補助椅子を出す算段をしなければならないほどの盛況となりました。

出演者

河口三千代(ソプラノ)

武井直美(ソプラノ)

佐藤由里亜(ピアノ)

渡辺美佳(ピアノ)

桂右團治(落語・語り)

 

 

 

 

ウッドブロック、タンバリン、住職から借りてきたという鈴(りん)、他のパーカッションも登場し、聴く楽しみに見る楽しみも加わりました。にわとりの叫びは会場を湧かせました。聴く楽しみという点では、あまり聴く機会のないピアノ連弾(森の熊さん 他)、中田喜直氏、別宮貞雄氏、それぞれの作曲による日本歌曲『さくら横丁』を武井直美さん、河口三千代さんが歌い分けました。同じ歌詞でも作曲者により印象が違うこと、ソプラノとひとくちに言っても、音色は様々であること、などなどが伝わったのではないかと思います。そしてもう一つ、演奏の導入として所々で挿入された桂右團治師匠の語りも出色でした。落語家の語りはいわゆる『語り』とは別の世界が広がると思いました。

見る楽しみも小道具だけではありませんでした。音楽家達のパフォーマンスはもちろんですが、桂右團治師匠の初ドレス姿、落語とは趣を異にするパフォーマンスや小道具を使って演奏を盛り上げる姿はここだけの楽しみでした。

遠くは金沢、福岡からこの日のために足を運んでいただいたお客様、4歳の男の子は初体験の落語「長屋の花見」に聴き入り、落語をまた聴きたいと帰りがけに師匠に話しておりました。落語を生で初めて聴いて感激したという音楽ファンのお客様、音楽と落語家のコラボに新しい発見をしたという桂右團治師匠のファンの方々、それぞれに新しい楽しみを発見されたようでした。

4月1日に開催することにこだわり、プログラム構成は言うまでもなく、どのように楽しんでもらうか、楽曲の魅力をどのように表現するのか、お客様にどのような世界を楽しんでいただくのか、音楽家と落語家が練りに練ったコンサートでした。