ワンダフルなジャズの玉手箱

夢空間La Musicaコンサート第40回

日時:2018年6月9日(土)14:30~

場所:日本基督教団ロゴス教会

出演:華岡将生(フルート) 遠藤征志(ピアノ)

 

調律師は心頭滅却すれば火も自ずと涼し、出演の華岡さん、遠藤さんは音の世界に没入、スタッフは手拭いと飲料を手元に準備作業。今年初めて最低気温が20度を超えた(20.8度)6月9日、ロゴス教会会堂内に留まっていた春の空気は音の響き、人間の動きに合わせて徐々に起きだしました。

 

いつでも、どこで開催しても、華岡将生さんと遠藤征志さんのコンビにしか描けない世界があることは言うまでもないことです。6月9日ロゴス教会だけに満ちたお二人の音の世界もこの時だけの秀逸な時間となりました。

遠藤さんの作曲された曲には1曲ごとに全く違う風景が描かれており、聴き手の耳と心を開かせました。華岡さんの編曲は元曲に潜んでいる音、もしくは作曲者も気づかなかった音たちを呼び起こし、独自の世界が現れました。

 

 

長年の交流が生み出すデュオの阿吽の呼吸は心地よく、ピアノのグリッサンド奏法に心沸き立ち、フルートの音色と特殊奏法に耳を広げ、お二人の会話に笑い、あっという間に2時間15分が過ぎていきました。

緩急自在な遠藤ワールド

アップテンポなリズムが有無を言わせず押し寄せてくる《素敵な不意打ち》で体が覚醒し、音とリズムのシャワーを頭からかぶった気分に。聞き終わった後、汗をきれいに流した快感に包まれていることに気づいた遠藤征志さんの作品『キンゲンゴブルース』(意訳:「ご機嫌ブルース」)

打って変わってしっとり、優しく語り掛けるメロディは、いろいろな場面で汚れたり、傷ついてしまっている心がきれいに再生され、穏やかな気分に満たされる遠藤さんの作品『永遠の人』

 

編曲の魅力華岡ワールド

北原白秋作詞、中山晋平作曲『あめふり』。地の底から暗ーくじわーっと湧いてくる音の雨粒、この重苦しい空気をどうしろというの?横溝正史の世界が幕を開けたのかと、つぶやきたくマイナースケール。こわーい大人の童謡。しかし、特殊奏法で湧き上がるフルートの様々な音たちに耳を傾けているうちに、可笑しみがふつふつと湧き上がって、小さく笑ってしまう。雨雲が楽しく遊んでいた。雨雲が傘をさして遊んでいた。華岡将生さんにしかできない音楽を磨き上げる術に脱帽。これからは雨の日も空を見上げようと思いました。

 

天から音が降ってくるパイプオルガン

ロゴス教会には会員の方が6年の歳月をかけて制作された(注:調整は永遠に続くそうです)高さ3.6m、幅2mの堂々としたパイプオルガンが2階に置かれています。これとは別に1階にドイツから輸入された電動パイプオルガンがあります。夢空間La Musicaでは今回初めて電動パイプオルガンを使わせていただきました。

音程の違うパイプが同時に鳴るとひとつの音に溶け合い、音色が華やかになります。その華やかな音色の音たちが吹抜け正面上部両壁に設置されたスピーカーから音が降ぐのです。これを快感と言わずして、何を快感というの?でした。教会で聴くアベマリアに心を沈めました。

ほんの1時間前に初めて触ったパイプオルガンとは思えない遠藤征志さんの演奏技量にも脱帽。パイプオルガンの音色が室温をも下げたように感じました。

アメイジンググレイズ

涙がこぼれたと感想をお書きいただきました。この曲が生まれた経緯をほうふつとさせるデュオの演奏がそうさせたのかな。

源氏物語プロジェクト

「約千年前に書かれた源氏物語。100万字ともなるこの壮大な文学を現代の音、曲として表現したい。 音の表現者として『文字の源氏を音の源氏へ』表現すると決めました。」と語る遠藤征志さんは源氏物語54帖すべてを音で表現する<源氏プロジェクト>を立ちあげ、第1回ピアのリサイタルを5月13日(日)5月20日(日)の2回公演がありました。

その中から桐壺更衣を入内させるために苦労をしたお母さんに焦点を当てた《桐壺》、抑制された嫉妬が解き放たれた時、生霊となって人を殺したり、帝に恨みつらみを言う《六条の御息所》、2曲が演奏されました。演奏会前日に作曲したという《六条の御息所》ではパイプオルガンの静かで華やいだ音色が、呪いや恨みつらみを昇華させたかと思いました。

 

サンQ

アンコールは遠藤征志作曲「サンQ」。美しいメロディで、サンキュー、サンキュー、ありがとうって聴こえてきました。「サンQ」最高。歌も聴きたいです。といったお客様の声が寄せられました。

 

お客様の声抜粋

遠藤征志氏の指の動きにびっくり。華岡将生氏のフルートの音色にうっとり。

お二人の体から音楽が流れているような。大変気持ちよく聴かせていただきました。

ジャズの生演奏に触れたのは2回目です。とても心穏やかになり、心地よく聴かせていただきました。遠藤さん、華岡さんの持ち味の良いところをいっぱい聴かせていただき、とても満足しています。

ジャズフルートは初めてです。もっと激しい演奏を想像していましたが、意外にも穏やかで、びっくりしました。大変新鮮で刺激的でした。新分野を切り開こうとする華岡さん、遠藤さんの意欲と熱意を感じました。

感動しながら涙が溢れました。

よかったです!!感動しました。音楽はいいです。サンQ

初めての教会でのコンサート、とてもよかったです。ピアノの遠藤さんしか知らなかったので、オルガンがとても新鮮でよかったです。とても楽しい時間でした。能楽堂がよみがえります。

ピアノとフルートの音色に癒されました。

 

 

コンサートへのメッセージ、ご感想、ご要望などございましたら下のボタンよりお寄せください。