日時:2018年10月6日(土)18:00~
場所:ヴィ・マエストロ
出演:桂右團治
2018年3月に始まったマエストロDE落語は今回で10回目を迎えました。地元のみなさまに愛される落語会、桂右團治師匠の落語を楽しむことが第一の目的なのは言うまでもないことですが、これに加えて、ここでの出会い、交流の時間を大いに楽しむことも目的です。
マクラ噺の前に、当初に毎回行っていたプチイベント、「あ~~」だけで『ふるさと』を歌います。「あ」を発音する際、お腹から声を出すため、健康によいそうです。歌う健康体操と言えます。
初参加のお客様も多くいらっしゃいましたが、師匠の声を凌駕する大きな「あ~~~」でヴィ・マエストロが埋め尽くされました。この落語会ではお客様と師匠、そして会場のヴィ・マエストロの店主との一体感も目玉の一つです。
演目
替わり目
酒飲みの癖としてあるさまざまな上戸の例、鶏上戸、壁塗り上戸、薬上戸、眠り上戸などを挙げて面白おかしく展開されたマクラ噺から始まったのは典型的亭主関白亭主とおかみさんが登場する「替わり目」です。おかみさんを目の前にすると乱暴な口利き、命令調の口利きしかしない亭主が、本当はおかみさんにとても感謝していると独白する姿は微笑ましい夫婦の機微をほのぼのと味わえる演目です。
噺の中におでん種が出てきます。がんもどき、はんぺんは今でも家庭のおでんでもなじみ深い種ですが、八頭、焼き豆腐は今ではおでん屋さんにある種かな。
火焔太鼓
師匠は時計が止まったような、陽だまりのような感覚になれる場所と感じる古道具屋が大好きだそうです。
もう一つ好きなのが図書館。充満した本の匂いが好ましいそうです。師匠が好ましいと言われる「匂い」は「にほひ」が当てはまるかなとお話を聞きながら思いました。
古道具屋のおはなしということで古物を鑑定する番組で今までの最高額が5億円、それに続いて3億5千万円、2億円、1億8千万円とつづくそうです。これにもびっくりしますが、噺に出てくる火焔太鼓はなんと3百両という値が付いたのですから登場するおかみさんの驚きを想像してしまいます。
噺の終わりで甚兵衛さんが五十両、百両、百五十両と懐から出すたびに、おかみさんの驚きのボルテージが上がっていく様を演じる師匠の技にはまり込みました。前半では亭主を馬鹿にしきって差配していたおかみさんの横暴ぶりがここにきて一転、色気ある驚きの姿に変わる様も師匠ならではの醍醐味でした。
ヴィ・マエストロの食事を楽しむ
毎回季節を組み込んだ逸品がお皿の上に並びます。秋ということでサツマイモご飯がおにぎりに加わりました。かぼちゃやリンゴなどの入ったサラダは収穫祭をイメージしました。
夏のひざしが戻ったこの日は初めの一杯はビール!という方が目立ちました。
グラス片手に、テーブル内では話がはずみます。師匠も加わり、落語とは別の笑顔が花開きました。
壁の絵画
山吹色が何とも美しく、収穫の華やぎが壁一面に広がっています。作者はヴィ・マエストロ店主の奥様です。店主の奥様であり、画家としての顔もお持ちの素敵な女性です。