1969年初演から53年、
松本白鸚さんの単独主演1307回を数える
ラ・マンチャの男がファイナル公演を迎えた。
チケット販売を待って、待って、
2月12日(土)マチネの席を確保。
オミクロン株の感染力におののきながらも
その日を待っていた。
公演関係者にオミクロン株感染が判明。
8日~12日まで公演中止。
東宝HPに記載された文字を眺めた。
今朝の雪景色同様、
気持ちはモノトーン色。
残念 とかなぜだ とかそんな言葉では表せない
ことがあると知った。
ニュースに映し出された初日、カーテンコールに応える
白鸚さんの集中し尽くした、気迫あふれる眼差しを
思い返した。
この時は、これを共有する時がもうすぐ来ると
静かに興奮したなあ。
2019年の公演は2回見た。
2回目は幸運にも公演1300回に当たり、
カーテンコールが特別だった。
白鸚さんがラ・マンチャの男にかける
思いを何の飾りもない美しい言葉で
語られたこと、
ブロードウェイ公演時にアルドンザ
(ドルシネア姫)だった方が客席に、
そして、その場でお話をされたこと、
白鸚さんが英語で見果てぬ夢を
歌われたこと、
今思い返してもいぶし銀のように重厚な
カーテンコールだった。
1300回は本当はもう少し前のはずだった。
台風の影響で、公演が中止になって、
私が行った回が1300回となった。
わたしは事前にベネフィットを手にしてしまったのかも。