日時:2022年6月28日(火)19:00開演
場所:すみだトリフォニーホール
出演:エリーナ・ガランチャ
マルコム・マルティノー(ピアノ)
2020年5月23日(土)の振替え公演。
客席に向かう階段は1段ごとに夢に近づく感覚。
丁寧に、意識して階段を上がったのは初めて。
プログラムに期待が膨らむ
日本初公演の単独リサイタル、
リサイタルというだけでも期待値はうなぎのぼり。
手にしたプログラムを眺めて、
リサイタルを越えたリサイタル、
ここで体験できる音楽世界をどう想像していいのか
幸せな戸惑いの時間を過ごした。
記念碑となったリサイタル
ピアニッシモからフォルテッシモまで、
肩の線が全く揺れない。体が揺れない。
美しく、表情豊かな声がどこから湧き上がるのか
ただただ見つめ、聴き入った。
ピアノに指が触れた瞬間に
マルコム・マルティノーもまた
歌曲伴奏者最高峰のおひとりと思った。
お二人のおちゃめな仕草を垣間見ることができた
のも楽しいことだった。
このリサイタルは個人的には描きがたい美しい
記念碑となった。
アンコールも重厚
絹の肌触りを感じさせる妖艶な「ハバネラ」
次は幼くかわいらしいお嬢様が歌う「私のお父さん」
スタンディングオベーションが止まらない
とても気に入っているラフマニノフの歌曲、
まだまだ止まないスタンディングオベーション。
もう一曲。
この後はない!と笑顔で言い切って
もう1曲。
明日もあるのに大丈夫か、と心配しながらも
存分に楽しんだリサイタルだった。