夢空間LaMusicaコンサート第33回
◆開催日:平成28年8月6日(土)
◆場所:八王子芸術劇場いちょうホール
◆出演者:冨田理子(piano)、米川雅子(piano)
冨田理子さん、米川雅子さんを迎えてのピアノ連弾コンサートは今年で2回目です。演奏者お二人にとっても2回目の連弾コンサートということもあり、心地よい緊張感とリラックスした雰囲気が絡み合い、酷暑の中、足を運んでいただきましたお客様も深く満足されるものとなりました。
【プログラム】
ビゼー 「子供の遊び」作品22より
・こま(即興曲)
・回転木馬(スケルツォ)
・舞踏会(ギャロップ)
ショパン ノクターン1番 作品9-1(米川雅子)
別れの曲 作品10-3(米川雅子)
バラード1番 作品23(冨田理子)
英雄ポロネーズ 作品53(冨田理子)
シューベルト 幻想曲 作品103
チャイコフスキー バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71aより
・トレパック
・あし笛の踊り
・花のワルツ
前半は子供をテーマにした曲が並びました。力強い低音を背景に軽やかに回るこまのリズムが一気にピアノ連弾の世界に誘い込むビゼー作曲「子どもの遊び」“こま”、優雅できらびやかな色、ゆったりと回る“回転木馬”、かわいらしい“舞踏会”、冨田理子さん、米川雅子さん両者のあうんの呼吸に魅了されました。
当日は山車祭りとして関東屈指の知名度を誇る八王子まつり中日でした。八王子駅からいちょうホールに来る道筋は祭り一色、いちょうホールロビーには、はっぴ姿の山車連の方々で溢れる状況下で開催したコンサートですが、演奏が始まった瞬間に小ホール内には今日はここに来たかった!という無言の空気に満たされました。演奏者お二人の会話に耳を奪われました。
指揮者冨田邦明氏の手によるプロラムノートを読んだ後、聴くフォーレ作曲、組曲「ドリー」は聴き方もひと味違ったものになったと思われます。
昨年に引き続きプログラムノート作成をお願いしました。昨年も好評でしたが、今回も「冨田先生の解説を読ませていただき、聴くと、その情景が浮かび、その中に自分がいるような不思議な錯覚をしてしまうほどです」と感想を述べられた方がいらっしゃいました。
独奏曲はお二人の個性が遺憾なく発揮されました。よく耳にする曲であっても、ピアニストそれぞれの表現があります。CDではわからない演奏者が広げる空気とともに愉しみたいものです。
シューベルトの知らざれる名曲(プログラムノートより)「幻想曲」は切ない心模様が静かに流れる旋律に、激しく打ち震える旋律が挟み込まれています。シューベルトの愛のカタチが曲になったということでしょう。この曲がとても良かったという声が寄せられました。
「くるみ割り人形」にはオーケストラとはまた違う良さを感じましたという感想が寄せられました。
その他にもアンケートではプログラムの選曲がよかったという声、連弾は楽しそう、小学生の頃、友達と練習したのを懐かしく思い出しました、身体を爽やかなエネルギーが巡り、身体の細胞が活性化したようです、ダンスを踊りたくなった、などの感想が寄せられました。
【追記】
ホールでコンサートを開催するのは今回が初めてでした。新しい発見をしました。舞台袖に控えてプログラム進行を見守ることとなった結果、ピアノの低音部が床を伝わって直接身体に、耳に、響き届く体験をしました。会場で聴く感覚とは違う心地よさを得ました。演奏者の姿と共に愉しむことはできませんが、これもまた聴き方の一つかと思いました。
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