耳を澄まさずにはいられない 「子供の世界 大人の世界」

夢空間LaMusicaコンサート第32回

◆開催日:平成28年6月25日(土)

◆場所:日本基督教団ロゴス教会

◆出演者:河口三千代(ソプラノ)、野畑愛(クラリネット)、渡辺美佳(ピアノ)、長尾知子(パーカッション)

 

DSC09537

朝降っていた雨が上がり、梅雨の晴れ間となった土曜日の午後、昨年6月に上演した音楽物語に新しくパーカッション奏者、長尾知子さんが加わり、より広がりのある物語を披露しました。前半の歌曲の演奏もパーカッションの存在が味わいを深くしました。ピアノとパーカッションの響き合いがとても美しいことを発見しました。

DSC09448

登場したパーカッションはカホン、ラチェット、サスペンデッド、シンバル、ウィンドチャイム、ウッドブロック、トライアングルでした。多くのお客様はこれらの楽器に接するのは初めてということで、一つ一つの音紹介に耳を傾けていらっしゃいました。

 

前半はシューベルトの歌曲「岩の上の羊飼い」、パッフェルベル作曲「カノン」、「今回の出演者が編曲したユニークな「カノン」をお届けしました。

 

 

 

 

岩の上の羊飼い

DSC09434

ピアノ(渡辺美佳)、クラリネット(野畑愛)が静かに響き合い、澄みわたるソプラノ(河口三千代)が加わり、その響きは歌詞に書かれた「暗く深い谷間から空へ向かって駆け上がるこだま、遠くから響き返すこだま」そのものを想像させるものでした。中程で歌われる失恋の痛みはピアノ、クラリネットと絹糸のようなソプラノが聴く者の心をより深くつきます。最後に春、希望に目を向けて旅立つ青年の心持ちが天に向かってまっすぐ語られ、光を満たすかのようなソプラノは超絶技巧といっても決して過言ではないと感じました。ピアノ、クラリネットの伴奏があっての曲の味わいでした。

 

カノン                                                                                                                                                                                DSC09495DSC09475

パッフェルベルのカノンは誰もが一度ならず、何度も耳にしてことのある作品です。卒業式、結婚式、産院、テレビドラマなどのBGMとしておなじみではないでしょうか。ピアノ、クラリネットにソプラノのスキャットが加わる演奏にお客様は静かに耳を傾けられていました。お一人、お一人の人生の様々な場面を思い浮かべたのではないかと思います。ちなみにカノンとは規則を意味するというお話しもありました。

 

 

 

canon a la modern time

DSC09465

出演者編曲のカノンは音楽家の遊び心満載の楽しい内容でした。大阪のおばちゃんまで登場するパフォーマンスにお客様は笑う前にびっくりしてしまったようでした。笑っていいのかどうか戸惑われている様子が伺われ、主催者がお客様をリードして乗せていく裁量が必要なことを学びました。音楽を深く愛し、親しみ、楽しむことを大事にする演奏家が言葉ではなく、演奏でそれを表現する力に感動しました。

 

 

 

 

 

 

懐かしくて心温まる音楽の物語

DSC09480

後半は出演者が表現を練りに練った音楽物語でした。規則に縛られた先生の口から溢れてくるのは心に突き刺さる剣山のような言葉、大人になっても子供と共に生きる先生の口から溢れるシルクジョーゼットのようにふわりと優しい言葉、二つ並んでいたらどちらを選びたいかは自明の理と思うところですが、実際はそう簡単なことではないことを大人はよく知っていると思います。この音楽物語は朗読・歌(河口三千代)、ピアノ(渡辺美佳)、クラリネット(野畑愛)、パーカッション(長尾知子)さんが渾身の演奏でシルクジョーゼットのような先生と子供達の関わりを昭和の風景の中でくり広げられる学校生活の様子を愉快に、時にはしんみりと表現しました。

今回、パーカッションが加わったことにより、聴く者は創造力が補強され、物語世界により深く入り込まれたように思われました。身を乗り出して見つめ、聴く姿、時には笑い声が聞こえ、心に深く届くセリフに涙を浮かべらる姿も見受けられました。

4人の演奏家の集中ぶりは特筆に値するものでした。演奏後に全員が暑さに気が遠くなりかけたときもあったと呟いておられました。

 

アンコール

しっとりとオーバーザレインボー、会場の手拍子と一体となった乗りに乗ったシング シング シングでした。

 

お客様の声

免疫力upがかなり期待できる集いでした。また参加させてください。楽しかったです

ピアノ、パーカッション、クラリネットの三人での演奏がまるでオーケストラのようです。素晴らしかったです

音楽物語の演奏は特に素晴らしく、心にきましたどんどん広めてほしいです

演奏者さん、ソプラノさんのさらなるご活躍をきたいしてマス

カノンが素晴らしかった

主よ人の望みの喜びはなどバロックも取り混ぜて欲しい

とてもみんな上手かったです。特に物語がおもしろかったです。ありがとうございます。(夢空間La Musica注:小学生のお嬢様の声)

 

コンサートへのご感想、ご意見、または夢空間LaMusica通信をご希望の方は下記よりご連絡ください。


otiawase