日時:20185年3月10日(土)18:00 ~
場所:コーヒー&ワインダイニングヴィ・マエストロ
出演:華岡将生(フルート) 須古典明(ギター) 《 特別出演 :かなさし庸子(ヴォーカル)》
ジャズ音楽を聴くと、体がリズムを取りたがるのは当然のこと。しかし、この日は違いました。初めに演奏されたのは滝廉太郎作曲「花」。春の精が舞うような、暖気を含んだ柔らかな空気が漂うような、大人の気持ちを優しく包み込む音とメロディ。懐かしい時を思い出す気持ち、ちょっと湿った気持ちに浸りかけたところで滝廉太郎から華岡将生&須古典明の音楽に。思いがけない、心地よい裏切りが愉快。
ヴィ・マエストロでジャズライブは3回目。1回、2回は曲の終わりごとの拍手を除けば掛け声やリズムを取る音も聞こえず、コンサートのように静かに楽しむ、「鑑賞」という言葉がピタリなライブだった。今回は聴く人の中には合いの手を入れる、掛け声をかける、リズムを取るなどノリノリで楽しむ方も現れた。おかげで、ちょっと気後れして声は出せない人たちもそれに合わせて膝の上で小さくリズムを取る姿は、高尾倶楽部ライブならではの微笑ましさであり、緩やかな一体感の表れだと感じられた。
メロディを刻むフルートとコード進行するギターの阿吽の呼吸はいつもの通り。フルートが遊ぶとギターが色々な技法を駆使して、遊び場を広げる。ギターが自在な演奏を展開すると華岡さんはフルートを小脇にかかえて、聴き惚れる。「音楽を描く」という表現がピタリな華岡さんと須古さん。
今回、ジャズヴォーカリストのかなさし庸子さんがお客様としてご来場されました。後半、一曲だけ参加していただきました。華岡さん、須古さんの間にかなさしさんが立っただけで、舞台衣装でもないのに、照明が特別明るいわけでもないのに、華やぎの色合いが射しました。お客様方はおっ!と心の中で言ったのではないかと思います。
静かに長く伸ばす歌声にただただ聴き惚れました。お客様の静かなため息を感じる時間でした。
ライブ後はテーブルを囲んでワイン、ウィスキーをお供に、談論風発。話題は音楽、歴史、AI、美術、、、留まるところを知らない、大人の遊び場が夜遅くまで続いた。