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「映画の中の極悪人でもアメリカ人は顔を拭くときはごしごしこすらない」
「人生は塞翁が馬」
小学生の頃家の中で聞いた言葉。たった一回だけ聞いた言葉。
大人になってたびたび浮かび上がってくる。しかし、話した本人は全く記憶に
ないと言う。
軽い気持で話したことが聞いた人間には深く刻まれることがあるとしみじみ思う。
強烈な体験を同時にしたのに一方は全く記憶にないという現象は一体どういう
ことだろう。
学生時代、武道館で行われたアンディー・ウィリアムスライブの帰りに
土砂降りの雨に遭い、傘を持っていなかった私達は全身ずぶ濡れに
なってそれぞれ帰宅した・・・はずなのに・・・そんな覚えはない・・・
と一方は言う。
その日を境に毎日天気予報を確認する習慣がついた者としては腑に
落ちない話である。