桂右團治落語会第十二回

日時:2019年3月30日(土)16:00開演

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

 

都内から一歩遅れて桜が街並みを彩り始めた高尾、ヴィ・マエストロ窓外の桜は8分咲き、花冷えの中、12回目の落語会を開催いたしました。

桜と日本人の関わりは古事記の中にも記されています。挿頭草(かざしぐさ)、曙草(あけぼのそう)、夢見草(ゆめみぐさ)など様々な名前を持っています。この三つは桜の異名として有名だそうです。「だそうです」と書くくらいですから、私はこの有名な異名を今の今まで知りませんでした。知ったかぶりをしてみたいものですが、むやみに知っているふりを落語のネタになってしまいそうです。

 

今回一席目に登場する人物は「世の中のことで知らないことは何もない!」と豪語するご隠居です。

 

やかん

「世の中では先生と書いて、『せんせい』と読ませるが、落語業界に入ると先生は『先ず生きている』と読ませる」と師匠が紹介しました。既にこの段階でなにやら怪しげな、おかしな話が始まるなと、前のめりになります。

落語には噺家の仕草、語り口で宇宙さえも想像できてしまう面白さがあります。また、登場人物が語る怪しげな講釈の中にもなるほどねと納得したりする面白さもあります。

<やかん>ではご隠居さんが語る「猫も杓子も」は「女子(めこ)も弱子(じゃくし)もで、老若男女のことだ」になあるほどと思いました。ほんとうかな。

落語の決まった長セリフを立て板に水のリズムに乗った”言い立て”にも心躍ります。<やかん>では武田信玄と上杉謙信両軍が繰り広げる川中島の合戦が語られます。桂右團治師匠の心地よい流れるような活舌に身を任せる気持ちよさに酔ってしまいます。言い立ての内容がまでも頭から流れてしまうのが難点です。

サゲにヤカン頭の由来がわかり笑って納得しました。しかし、ほんとかな?

 

花見小僧

大店の一人娘、それも年頃となれば旦那様の気苦労も一方ならぬものがあるとこの噺を聞いて今更ながらに感じます。小僧に飴と鞭を使い分けてようやく聞き出すことができた実態に怒り心頭の旦那様は、小僧には約束の休みと小遣いは与えず、一人娘の相手と分かった店の若い者徳三郎には暇を出してしまう。

「この続きは改めて。今日はここまで」と噺がプツン!と終わってしまいます。小僧、徳三郎が唖然とするのは言うまでもないことですが、それから、それから、、、と聞いていた私たちも唖然としてしまいました。

続きは「刀屋」で。ということですね。

〈花見小僧〉に出てくる長命寺桜もちは桜の葉3枚に包まれています。ホームページには〖葉を外してお持ちに移った葉の香りと餡の風味をお楽しみください〗とあります。

 

ヴィ・マエストロのプレート

高尾倶楽部は落語とジャズのライブを楽しむことを目的としています。同じ時間、同じ場所でみんなで楽しむ特別な遊び時間を提供したいと考えています。

食事タイムには隣り合った人、向かい合った人、周りにいる人たちとの会話、師匠やジャズ奏者との会話もごちそうの一部です。ヴィ・マエストロ遠藤ご夫妻が作るプレート、ワインやビール、そして店自慢の1杯づつ入れる自家焙煎のコーヒーも賑わいを深めます。