マエストロDE落語「桂右團治落語会第十四回」

日時:2019年10月19日(土)18時~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

 

桂右團治落語会は重ねるにつれて、開演前、桂右團治師匠の登場を待ちわびる客席のソワソワ感も心地よく、緩やかな一体感を生み出します。

当日の番組

師匠の指導の下、全員で歌う健康体操「夕焼け小焼け」

落語二席 「甲府ぃ~」 「ナースコール」

 

【豆腐】

江戸時代の豆腐の大きさは今の4倍

現在、豆腐1丁の重さは都市部では300~350g 地方では350~400g 沖縄は1kgが普通(資料:日本豆腐協会HP)とのこと。ちなみに筆者が購入している豆腐は1丁360gでした。八王子は少し地方に傾いているのか。

それにしても4倍の大きさとなると少なくとも1kgはあったことになる。となると、必然的に献立にもたくさん登場のではないかと想像します。前出日本豆腐協会HPに徳川家光の朝食には、豆腐の淡汁、さわさわ豆腐、いり豆腐、昼の膳にも擬似豆腐などが出されていたとの記述を見つけました。

 

豆腐が庶民の普段の食卓に登場するのは江戸中期以降

落語「甲府ぃ~」でも人気者になった豆腐売り善吉から毎日のように豆腐を買うおかみさん、それを手を変え品を変え朝昼晩食べる羽目になると伴侶が音を上げる場面があります。そのような伴侶のためというわけでもないでしょうが、天明2年(1782年)に料理本「豆腐百珍」が出版されます。普段の食事からごちそうまで様々な調理法が紹介されています。

筆者は1982年柴田書店出版の「豆腐100珍NOW」1600円を持っています。久しぶりに引っ張り出してパラパラページをめくってみると40年近く前とは思えない和洋中のレシピが載っています。豆腐を食卓でもっと活躍させようと思いました。

 

【前座は大変、二つ目はもっと大変?】

噺家を目指す者はまず師匠となる噺家に受け入れてもらい、「内弟子」となり修行を始めるのが初めの一歩だったが、現在、「内弟子」は絶滅し、師匠の家に通う「通い弟子」となっており、その通いも10日に1度、中にはまったく通わない弟子もいる。

徒弟制度が消えた今、前座さんの苦労は”どうやって目立って、名前を覚えてもらうか” 楽屋には常時20人ほどの前座が控えているため、師匠へのお茶出しも着物を畳む役割は取り合いになる。どうやって他の前座に先んじて師匠のお世話をするかに頭を使う必要がある。

二つ目になると師匠の家や楽屋での雑用がなくなり、見た目は一人前の落語家。しかし、毎日楽屋へ来なくてもいいようになり、自分で仕事を探さないといわゆる「教養がない(今日、用がない)」状態となり、侘しく辛い状態に陥りやすい。

前座も二つ目も仕事を作るために何をするのか日々考え、実行している姿を想像しました。桂右團治師匠の美しい日本語の言葉遣いに接する時、師匠の内弟子修業時代を思います。

 

【ナース川柳】

ナイチンゲールの誕生日5月12日は「看護の日」これに合わせて、サラリーマン川柳ならぬナース川柳が師匠から紹介されました。

男性に声を掛けられ健康相談

うろたえる自分の娘の発熱に

緊張するズラにかぶせる手術帽

自分の行動をちょっと別の角度から眺めるのは心身のリフレッシュにとても良さそう。噺家の洒落も同じかな。

 

【。交流タイム】

秋の味覚と秋の色合いが美しく美味しく配されたプレート

 

 

 

落語を聴いて気持ちがほぐれている、美味しい料理とワインで気分が上がる、そうなると初めて会った方にも声を掛けたくなる時間。師匠も加わり、秋の夜長に話も深まります。