音楽劇「獅子吼」

ししくと読めたけれど、額面通り、獅子が吼える、と受け取った。

その意味を音楽劇「獅子吼」(原作:浅田次郎)で知った。

瞋(いかり)という漢字に初めて出会った。と、思ったら

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節、

「欲ハナク、決シテ瞋らず」

と表現されているとプログラムの浅田次郎氏のコメントで知った。

一体どのようなことだろうと帰宅して、を検索。

プログラムの解説とはニュアンスが違っていた。

 

 

老獅子ボスが父から受け継いだ教え「決して瞋るな、瞋れば命を失う」の瞋は検索した瞋。

最後の最後に見せるボスの瞋りの咆哮はプログラムの解説の瞋、かと思った。

 

 

石鍋多加史さんに出会って、

音楽劇、ミュージカルの魅力に取りつかれた。

そして「ことば」に命が宿っていることを強く意識するようになった。

昨年10月は「ラ・マンチャの男」(神父役)、

11月の「ラ・テンペスト」(賢い老顧問)、

今年3月の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(浪矢雄治)、

今回は獅子。

 

 

 

昨年5月に夢空間La Musicaにご出演いただき

今年も味わい深い公演を企画していたけれど、コロナ禍で延期。

来年5月8日(土)、重厚なのに軽やかで、心休まる舞台をロゴス教会で開催する予定。

 

劇場に足を運ぶと、大事なことを言い訳に包んで、

棚上げにしている自分に気づく。

心洗われると感じるのはこれが影響しているのかもしれない。

「獅子吼」の最後で老獅子ボスと戦争に翻弄される人間が対峙する。

こんなに凝縮した時間に身を置いたのは初めてと感じた。

今回も心が洗われた。

 

開場まで時間があったので、時間をつぶそうという

軽い気持ちでウエスタン北山珈琲店の前に立った。

箒と塵取りを持っていた男性が慌て近寄てきて、

「ここはこういう店ですから」

と入り口ドアの張り紙を指さし、ドアを閉めて中に入ってしまった。

「おしゃべり 携帯電話 読書・事務処理 待ち合わせ 30分以上の長居」お断り

見透かされてしまった。

コーヒー通には有名なお店と後で知りました。