リーダーアーベント 夜と夢

日時:2022年4月8日(金)19:00開演

場所:府中の森芸術劇場ウィーンホール

出演:北嶋信也(テノール) 小林啓倫(バリトン) 浅野美未麗(ピアノ)

 

 

 

 

 

 

 

写真:ホワイエの映像より

 

ドイツ歌曲を響きの美しいウィーンホールで

存分に楽しんだコンサート。

 

「魔王」&「オルフ氏」は音楽劇

小林啓倫さんの歌い分けに陶酔した。

「魔王」に登場する人物は語り手、子供、父親、そして魔王。

状況を冷静に語る「語り手」、

熱にうなされる息子、

息子の命を気遣うことで精一杯の父親、

冷徹な怖さを隠し持つ魔王。

 

「オルフ氏」の登場人物は語り手、魔王の娘、そしてオルフ氏。

オルフ氏の関心を引こうとあの手、この手で誘いかける魔王の娘。

無垢な気持ちを装った誘いにも

明日の結婚式のことで頭がいっぱいのオルフ氏は乗らない。

よしよし、と聴く者が気を緩めたところで

オルフ氏にもたらされる冷酷、残忍な死。

 

背筋が寒くなる怖さ

ヘンゼルとグレーテルをお菓子の家に招き入れる魔女同様、

子供に明るく優しく語り掛ける魔王。

小林啓倫さんの豊かな響きで描かれる

やさしさの仮面の下に隠れた怖さが

進むにつれてにじみ出てくる予感がまず怖い。

最後に残酷な本性をむき出しにする様子に

怖さ倍増。

「オルフ氏」に登場する魔王の娘の怖さもそこにあった。

 

希望を歌う「さすらう若人の歌」

シューベルトの歌曲とは一転して、

最後に生きる希望を見出すマーラーの曲。

メゾの方も歌われるようだが、

わたしはバリトンのための歌曲。と思う。

 

アンコールは何とベルカントで。

オペラ真珠採りの中で歌われる

テノールとバリトンの美しい二重唱で有名な

「聖なる神殿の奥深く」

そして、

バリトンの小林啓倫が舞台に残って歌い始めたのが

「誰も寝てはならぬ」

えええ、と思った時北嶋信也さん登場。

サプライズも用意されたコンサートだった。

 

小林啓倫さんは12月に夢空間La Musicaに登場予定。

燃える男たちの饗演