大久保長安で思い浮かぶのは千人同心と甲州街道。
それもことばとして思い浮かぶだけ。地元を知る
一歩を踏み出すべく大久保長安の会主催の
「大久保石見守長安と佐渡金山」に足を運んだ。
講師は高崎経済大学名誉教授和泉清司先生。
初めて知るびっくりだらけだった。
世界遺産2つにかかわった大久保長安
世界遺産に2つかかわった人物は世界に3人いる。
- ナポレオン(パリの凱旋門・フォンテブロー宮殿)
- 始皇帝(万里の長城・兵馬俑)
- 大久保長安(石見銀山・佐渡金山)
先生の口開けのお話にまずびっくり。
立ち姿が美しい先生が御年81歳と知ってこれもびっくり。
佐渡に能楽を広めた大久保長安
金山の佐渡に能楽が浸透している理由は長安が初代奉行として
佐渡に渡ったときに能楽師たちを連れて行ったことに起因すると
知ってびっくり。江戸時代最盛期には全島で200棟の能舞台が
あったといわれ、現在でも佐渡各地に34棟があるといわれている。
数の多さと各地域に広がって存在していることにびっくり。
都下の数を調べた限りでは10棟(すべて都内)
長安の出自は〝らしい〟という範囲でしかわかっていないようだが、
もともとは武士ではなく、大和の金春流猿楽師の大蔵太夫家の出身と
言われていることからなるほど、と納得。
西洋文化も受容していた
鉱山開発ではスペイン人から進んだ精錬法を学んで石見、佐渡、伊豆などの
鉱山で活用した。西洋文化を受容する西洋人との交流が長安とその一族郎党
が悲惨な最期を遂げる一因になったかもしれないのは皮肉なこと。
八王子のガリレオ大久保長安
先生のお話で長安の才能は行政、土木技術、鉱山開発と多岐に
わたることを知り、江戸の、いや八王子のガリレオじゃないかと思った。
そして不幸な最期を迎えたことも共通している。
これにも勝手にびっくり。
受講生も知識豊富
何も知らない状態で参加したのは私一人だったのではないかと思った。
参加者の質問は長安の生涯の軌跡を十分理解した上でのものばかりだった。
先生とのやり取りは先生と研究生のようだった。びっくりした。