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桂右團治落語会第10回

桂右團治落語会第10回

日時:2018年10月6日(土)18:00~

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

2018年3月に始まったマエストロDE落語は今回で10回目を迎えました。地元のみなさまに愛される落語会、桂右團治師匠の落語を楽しむことが第一の目的なのは言うまでもないことですが、これに加えて、ここでの出会い、交流の時間を大いに楽しむことも目的です。

マクラ噺の前に、当初に毎回行っていたプチイベント、「あ~~」だけで『ふるさと』を歌います。「あ」を発音する際、お腹から声を出すため、健康によいそうです。歌う健康体操と言えます。

初参加のお客様も多くいらっしゃいましたが、師匠の声を凌駕する大きな「あ~~~」でヴィ・マエストロが埋め尽くされました。この落語会ではお客様と師匠、そして会場のヴィ・マエストロの店主との一体感も目玉の一つです。

演目

替わり目

酒飲みの癖としてあるさまざまな上戸の例、鶏上戸、壁塗り上戸、薬上戸、眠り上戸などを挙げて面白おかしく展開されたマクラ噺から始まったのは典型的亭主関白亭主とおかみさんが登場する「替わり目」です。おかみさんを目の前にすると乱暴な口利き、命令調の口利きしかしない亭主が、本当はおかみさんにとても感謝していると独白する姿は微笑ましい夫婦の機微をほのぼのと味わえる演目です。

噺の中におでん種が出てきます。がんもどき、はんぺんは今でも家庭のおでんでもなじみ深い種ですが、八頭、焼き豆腐は今ではおでん屋さんにある種かな。

火焔太鼓

師匠は時計が止まったような、陽だまりのような感覚になれる場所と感じる古道具屋が大好きだそうです。
もう一つ好きなのが図書館。充満した本の匂いが好ましいそうです。師匠が好ましいと言われる「匂い」は「にほひ」が当てはまるかなとお話を聞きながら思いました。

古道具屋のおはなしということで古物を鑑定する番組で今までの最高額が5億円、それに続いて3億5千万円、2億円、1億8千万円とつづくそうです。これにもびっくりしますが、噺に出てくる火焔太鼓はなんと3百両という値が付いたのですから登場するおかみさんの驚きを想像してしまいます。

噺の終わりで甚兵衛さんが五十両、百両、百五十両と懐から出すたびに、おかみさんの驚きのボルテージが上がっていく様を演じる師匠の技にはまり込みました。前半では亭主を馬鹿にしきって差配していたおかみさんの横暴ぶりがここにきて一転、色気ある驚きの姿に変わる様も師匠ならではの醍醐味でした。

ヴィ・マエストロの食事を楽しむ

毎回季節を組み込んだ逸品がお皿の上に並びます。秋ということでサツマイモご飯がおにぎりに加わりました。かぼちゃやリンゴなどの入ったサラダは収穫祭をイメージしました。

夏のひざしが戻ったこの日は初めの一杯はビール!という方が目立ちました。

グラス片手に、テーブル内では話がはずみます。師匠も加わり、落語とは別の笑顔が花開きました。

 

壁の絵画

山吹色が何とも美しく、収穫の華やぎが壁一面に広がっています。作者はヴィ・マエストロ店主の奥様です。店主の奥様であり、画家としての顔もお持ちの素敵な女性です。

 

 

ラグジュアリー・ナイト・ジャズ開催しました

ラグジュアリー・ナイト・ジャズ開催しました

開催日:2018年9月8日(土)

場 所:ヴィ・マエストロ

出 演:かなさし庸子(Vo)華岡将生(Fl)須古典明(Gt)

 

 

フルートの華岡将生さん、ギターの須古典明さんは夢空間La Musica主催、高尾倶楽部ジャズライブではおなじみとなり、人間味あふれるデュオの音楽を楽しみにされているファンも増えつつあります。今回はヴォーカルのかなさし庸子さんがそこに初参加いたしました。

女性の柔らかな華やぎがお客様に伝わったのか、開始前からトリオとお客様の間で言葉にはならない、温かな交流が生まれていました。

 

歌謡曲、歌曲、映画音楽、シャンソン、スコットランド民謡、ポップス、、、など様々な分野の楽曲がこのトリオの刻むクリアで、表情豊かな音色とリズムを纏い、この時だけの音楽となって現れました。トリオと客席で交わされる無言のキャッチボールがを紡ぎだす空気も心地よく、会場が一体となりました。大人だからこそ堪能できるラグジュアリーな夜でした。

音楽はもちろんですが、お客様一人一人とおしゃべりするように行われた曲紹介を兼ねた三者三様のお話にも気持ちが広がりました。

「A41枚の譜面があれば、20分でも演奏し続けられる」という須古さんのお話はそうでしょう、そうでしょうと得心しました。

 

感動の涙、笑顔がこれほど凝縮されたライブは珍しいと思います。フルートの華岡将生さんが「須古典明さん、かなさし庸子さんの音楽は体と心の栄養」と表現されました。華岡将生さんも加わっての体と心の細胞隅々まで行き渡る感動という栄養でした。

 

夢空間La Musica主催、高尾倶楽部ではライブ終了後、出演者と残られたお客様とがグラスを片手にテーブルを囲んで、音楽の話、その他もろもろ話題を提供し合い、愉快なコミュニケーションタイムが始まります。日常の身の回りでは体験できない大人の遊び場です。

 

ライブ途中で提供されたヴィ・マエストロ特製プレートはいつもながらに、お客様を見た目とその美味しさで楽しませる逸品。これに一品でランチメニューとなるボリュウムあるサンドウィッチが添えられました。

 

こちらもご覧ください→かなさし庸子さんライブ後記

次回高尾倶楽部のイベントは桂右團治落語会第十回です。

 

源氏物語54帖の響- 文字の源氏を音の源氏へ -

源氏物語54帖の響- 文字の源氏を音の源氏へ -

2018年5月13日(日)

渋谷セルリアンタワー能楽堂

遠藤征志ピアノリサイタル 源氏物語54帖の響 Vol.1

 

御簾越しに見る世界、その深遠、神秘、計り知れない王朝絵巻が、ピアニスト遠藤征志さんの手により音となって、御簾を通り越して届きました。平安時代の王朝人の息遣いを肌で、耳で感じました。音の世界ですが、静寂という表現がふさわしい舞台でした。

 

甘美、ふくよか、深い音色、低音の力強さ、遠藤征志氏の体から生まれるベーゼンドルファーの響きが登場する女御たちの複雑な内面を浮かび上がらせていました。ウィーンと平安絵巻がこんなにもしっくり結び付くことに驚嘆しました。

能楽師津村禮次郎氏はピアノが生み出す音を纏い、文字を舞と謡に。抑制のきいた動き、目線、指先、足先すべてが語りかてきました。

日本文学者林望先生が語られる源氏物語は”文字の源氏を言葉の源氏へ”という表現が当てはまる素晴らしい時間でした。林望先生から遠藤征志さんは次のようなメールをいただいたそうです。

「じっくりと聴きながら、心に浮かんできた各曲の題名は、次のとおりです。

1,桐壷     追懐
2,葵(葵上)  悲愁(Elegie)
3,葵(六条)  孤独(Baroque)
4,若紫(紫上) 無垢(Innocence)
5,花宴(朧月夜)翻弄(Romanesque)
6,末摘花    不調和(Capriccio)
7,紅葉賀(藤壷)運命(Sin)
8,夕顔     逃亡(Disappearance)
9,花散里    諦観
10, 空蝉      憧憬(Nostalgia)
11, 須磨・明石    疾駆

ちょっと話の種ばかりに。  林 望 」

当日会場での音、舞が新たな命を纏ってよみがえります。

 

今回、初めて縦の時間軸を描くことに挑戦された遠藤征志さん、「54帖すべての作完成に向けて、これからも精進いたします」との決意の言葉に、会場から「早くしてくれ!こっちは時間がないぞ!」とユーモアと愛情あふれる声がかかりました。

桂右團治落語会第九回- マエストロDE落語 -

日時:2018年5月12日(土)

場所:ヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

会を主催する立場に立つと、いつも気になるのはお客様の集まり具合です。どうしても一喜一憂してしまいます。しかし、それは会が始まるまでのこと。始まったらそのようなことはどこかに吹き飛び、会を開くことができた高揚感に満たされてしまいます。これもいつものことです。わかっていても毎回繰り返します。

今回は落語初体験の方も多く、熟れた笑いと気持ちキラキラの笑いが交じり合う不思議な心地よさが漂っていました。

 

枕噺 人間万事塞翁が馬

枕噺として出された「人間万事塞翁が馬」。師匠は「じんかんばんじさいおうがうま」と言われました。「にんげん」だとばかり思っていたのでえっ?と不思議に思い、これについて調べた結果、次のことがわかりました。

中国語では「人」と書けば人そのものだが「人間(じんかん)」と書くと世間を意味する。「人間万事塞翁が馬」の意味を考えると「人間」は「世間」意味するので、由来にこだわりたいのなら「じんかんばんじ・・・」という言い方になる。(出典:日本文化研究ブログ)

 

師匠の近況報告 外国人も楽しめるRakugo&Kamikiri

桂右團治師匠が紙切りの林家今丸師匠とタッグを組んで外国人向けに日本の古典芸能を英語で披露する活動を始めています。「時そば」の前半部分を英語で語っていただきました。難しい単語は一つもなく、日本人も外国人と一緒に笑えること間違いなしです。日本人は英語の表現に笑いを誘われるのではないかと思いました。外国人は落語のどこに可笑しみを感じるのか聞いてみたいです。

ご要望があればどこへでも出向くそうです。

 
落語「風呂敷」

落語を聞いて記憶の隅っこに追いやられていたことが浮かび上がってくることがあります。「風呂敷」では今あまり口に上らなくなったことわざに再会しました。ことわざを妙に言い間違える、勝手に解釈するところが愉快です。

「瓜田に履を納れず」「李下に冠を正さず」最近とんと耳にしなくなったことわざです。人間、このように生きたいものです。

「貞女は二夫にまみえず」「女三界に家なし」こちらのようなことは馴染まない世の中になりました。

 

落語「三味線栗毛」

座頭になるためには10両、匂当では百両、検校となると千両の上納金が必要とは驚きです。当時の貨幣価値で1両が10万円ということですから座頭になるためには百万円が必要だった、検校となると1億円!一体どのくらいい働けば百万円が貯まったのだろうか。座頭になるのが夢だった錦木は酒井雅楽頭となった角三郎との約束で検校にしてもらった。錦木はいったいどのような検校だったのだろうか。そういえば学者塙保己一も検校だった。

 

小松先生のお話

師匠の枕噺で英語が話題になったことを受けて、江戸時代の外国人との関わりが取り上げられました。

1854年2月10日、日米和親条約締結のための初交渉の舞台となったのが日本橋室町浮世小路にあった高級料亭「百川」。この時、江戸城まで運ばせた料理は伝統に基づいた本膳料理で、費用は2千両(現在の600~800万円*幕末近くは1両が3000~4000円との説をもとに算出)。デザートとして出されたのは当時は貴重品中の貴重品だった氷で冷やした柿に甘酒のようなものをかけた一品だった。幕府が最高のもてなしをしたことがここからもうかがえる。

落語「百川」は料亭「百川」の宣伝用に作られたとも言われている。1870~80年代には江戸で落語を楽しむことができるところは250軒もあったが、今、定席寄席は4軒のみ。

小松先生のお話で描かれる江戸時代の日本橋室町は風情に満ちています。再開発で様相が大分変ってしまった日本橋界隈ですが、先生の案内で横丁探索してみたいものだと思いました。まだまだお江戸日本橋に出会えそうです。

 

落語会後の交流

ヴィ・マエストロの粋なひと皿と師匠、隣り合った人との交流も心地よいひと時です。興が乗って時間が飛ぶように過ぎていきます。

 

 

 

華岡将生(Fl)& 須古典明(Gt)ジャズライブ - 音を描く - 

華岡将生(Fl)& 須古典明(Gt)ジャズライブ - 音を描く - 

日時:20185年3月10日(土)18:00 ~

場所:コーヒー&ワインダイニングヴィ・マエストロ

出演:華岡将生(フルート) 須古典明(ギター) 《 特別出演 :かなさし庸子(ヴォーカル)》

ジャズ音楽を聴くと、体がリズムを取りたがるのは当然のこと。しかし、この日は違いました。初めに演奏されたのは滝廉太郎作曲「花」。春の精が舞うような、暖気を含んだ柔らかな空気が漂うような、大人の気持ちを優しく包み込む音とメロディ。懐かしい時を思い出す気持ち、ちょっと湿った気持ちに浸りかけたところで滝廉太郎から華岡将生&須古典明の音楽に。思いがけない、心地よい裏切りが愉快。

 

ヴィ・マエストロでジャズライブは3回目。1回、2回は曲の終わりごとの拍手を除けば掛け声やリズムを取る音も聞こえず、コンサートのように静かに楽しむ、「鑑賞」という言葉がピタリなライブだった。今回は聴く人の中には合いの手を入れる、掛け声をかける、リズムを取るなどノリノリで楽しむ方も現れた。おかげで、ちょっと気後れして声は出せない人たちもそれに合わせて膝の上で小さくリズムを取る姿は、高尾倶楽部ライブならではの微笑ましさであり、緩やかな一体感の表れだと感じられた。

 

メロディを刻むフルートとコード進行するギターの阿吽の呼吸はいつもの通り。フルートが遊ぶとギターが色々な技法を駆使して、遊び場を広げる。ギターが自在な演奏を展開すると華岡さんはフルートを小脇にかかえて、聴き惚れる。「音楽を描く」という表現がピタリな華岡さんと須古さん。

 

今回、ジャズヴォーカリストのかなさし庸子さんがお客様としてご来場されました。後半、一曲だけ参加していただきました。華岡さん、須古さんの間にかなさしさんが立っただけで、舞台衣装でもないのに、照明が特別明るいわけでもないのに、華やぎの色合いが射しました。お客様方はおっ!と心の中で言ったのではないかと思います。

静かに長く伸ばす歌声にただただ聴き惚れました。お客様の静かなため息を感じる時間でした。

 

 

ライブ後はテーブルを囲んでワイン、ウィスキーをお供に、談論風発。話題は音楽、歴史、AI、美術、、、留まるところを知らない、大人の遊び場が夜遅くまで続いた。

 

 

桂右團治落語会 - マエストロDE落語 第八回-

桂右團治落語会 - マエストロDE落語 第八回-

日時:2018年2月24日(土)18:00開演

場所:コーヒー&ワインダイニングヴィ・マエストロ

出演:桂右團治

桂右團治師匠がどのようなお話から落語に入っていくのかも毎回興味を引く点です。

師匠の枕話yorozuya

今年、八王子では1月22日は積雪39センチとなり、2月2日には2回目の雪が降り、例年より寒く感じます。師匠のお話は時節に関することから始まりました。

2月の別名は「着更着(きさらぎ)」、さらに草木が芽生え始める月ということで「生更木(きさらぎ)」とも呼ばれるという豆知識。寒さが続く今、健康を損なわないため、つまずいたり、転んだりせずにいつまでも元気で暮らすためには「あ~」とお腹から声を出すと効果があるという健康情報。これを実行すると喉が丈夫になり、風邪を予防する、また、腹筋を鍛えることができるので、体幹が鍛えられ、転倒予防になるそうです。とは言え、ただ「あああ~」では面白くないので、「ふるさと」を「あああ~」だけでみんなで歌ってみました。毎日続けることが大事だそうです。やってみると、体内に健康の通り道ができた気分になりました。通り道を通過するのは“健康”ばかりではないようで、一席目の噺につながります。

 

落語「転失気」

知ったかぶりをした当人はつじつま合わせに振り回され、周りには失笑され、いいことは一つもない。住職が「転失気(てんしき)」(=おなら)を知らないと言えなかったばかりに起るてんやわんやは他人事とは思えません。周りから○○と評価されているとそれが重荷となり、なかなか素の自分をさらけ出せないのはいつの時代も同じ。住職は「転失気(てんしき)」とは寺では盃をさす隠語と言い張りました。

鮨屋で「むらさき」と言えば「醤油」、「あがり」と言えば「お茶」のように、その社会(場)で通用する言葉があります。お寺での隠語をネットで調べてみました。

般若湯=お酒

天蓋=蛸

赤豆腐=マグロ

御所車=卵

踊りっこ=ドジョウ

なるほど、なるほどと感心しました。

ちょっとお話

マエストロDE落語のもう一つの目玉、碩学の氏、小松先生の落語の合間のよもやま話。

IT時代と言われて久しい昨今、AI(人工知能)の情報が飛び交う時代です。その進歩が目覚ましい今、人間がすべきことは何か?「創造する」ことに人間の能力を大いに使うべし、と話される小松先生の語り口にはAIでは決して再現できない先生ならではの息遣い、温度、メロディーが伝わりました。ではどんな道がある?続きは次回のお楽しみ、、、となりますかどうか。お話の玉手箱、びっくり箱のような小松先生です。次回何が飛び出すかはAIでも予測不能です。

落語「柳田格之進(柳田の堪忍袋)」

「私はあなたを信じます」と言いうことはできても、それを実践するのは難しいです。は番頭徳兵衛は主人の命には必ず従うと信じていたのか?万屋源兵衛は心底から柳田を信じていたのか?太宰治の「走れメロス」を思い出しました。

「確かにここに置いた!」と確信している品物が全く別のところから出来ることは私の場合、日常茶飯事。人間の記憶は不思議。自分の脳であっても、自分ではどうすることもできない。ここはAIに軍配が上ります。

柳田格之進は源兵衛と徳兵衛の首をはねる代わりに将棋盤を真っ二つに切ったというが、謹厳実直の上、それほどの使い手だったのだろうか。将棋盤の厚みはどのくらいだろうとウィキペディアで調べたら2寸から9寸(約6センチから30センチ弱)でした。両替商の万屋源兵衛宅の将棋盤はどのくらいの厚みだったのだろう、一刀両断に切れる厚みはどのくらいかなと噺であることは承知の上で知りたい思いました。

斜に構えて聴くと突っ込みどころ満載の噺ですが、桂右團治師匠演じる謹厳実直な父柳田格之進と吉原へ身を落とそうとする娘きぬとのやり取りはいつ聴いてもほろりとさせられます。番頭徳兵衛が湯島の切通しで贅沢な拵えの侍姿となった柳田格之進に出くわした時の狼狽ぶりを表す語り口、表情は可笑しくもあり、天罰だと格之進より先に成敗する気持ちも沸きます。

食事タイム

春がやってくることを知らせるメニューが並びました。隣り合った方との話も弾みます。一人で参加してもみんなでテーブルを囲み、話がはずみます。師匠も輪に入って、にぎやかなひとときです。

生ハムとイチゴ

鶏つくね

菜の花おひたし

蕪のツナ和え

カリフラワーと隠元のマスタード和え

エビと蛤の酒蒸し

ドライトマト

二色おにぎり

 

 

オペラ[演奏会形式]万葉集 明日香風編

オペラ[演奏会形式]万葉集 明日香風編

作曲:千住明
台本:黛まどか
指揮:大伴直人
額田王:盛田麻央(ソプラノ)
鏡王女:金子美香(メゾソプラノ)
中大兄皇子/天智天皇:又吉秀樹(テノール)
大海人皇子/天武天皇:原田圭(バリトン)
管弦楽:東京交響楽団
合唱:八王子クリンゲンコア

茜さす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずやな 君が袖振る

学校の古文でも習う額田王の和歌です。「あかねさす」は紫にかかる枕詞、品詞分解して〇段活用とか連用形とか未然形とか、今ではすっかり忘れてしまった文法を言葉のみですが懐かしく思い出しました。当時は文法と和歌を丸暗記することが精一杯で、古文は理解でず、今思えば空しい時間を過ごしていたものです。

「672年」という年号、大海人皇子と大伴皇子の跡目争いのみを暗記していた壬申の乱に人間の機微があるということにも思いは至っていませんでした。今回、オペラ「万葉集」に出会い、学生だった時、勉強を試験のためにしていた自分の残念な姿が浮かび上がりました。

 

『オペラ「万葉集」明日香風編』(演奏会形式)は歌と合唱、管弦楽で万葉集に収められた雅な情景、人間の心模様が描き出しました。作曲者千住明氏が「短編映画を見るように楽しめる作品」と言われることにも深く納得しました。文法としての古文ではなく、揺れ動く気持ちを歌に託す額田王、鏡王女など、飛鳥時代に生きた生身の人間に思いをはせる機会となりました。

秀逸なソリストの歌、それに呼応して現代語で和歌の内容を歌う合唱の組み合わせはとてもがわかりやすく、余分なエネルギーを使うことなく演唱そのものを楽しむことができました。管弦楽は中でもハープに惹かれました。ハープが全編にわたって万葉の風を思わせるメロディーを奏でました。壬申の乱の結末を受けて額田王と鏡王女がやり取りする場面では両者の心臓の鼓動を思わせる爪弾きに胸を締め付けられました。オーケストラが管弦楽器のみで見た目にもこじんまりとしており、絵巻物語そのものでした。

 

隣の席はハープ奏者だった

一部はチャイコフスキー作曲「弦楽セレナード ハ長調 作品48」でした。
隣の席の女性が他の観客とは全く違う空気をまとっている、その空気は美しい緊張感を内包していました。そのおかげで開演前からいつにも増してうきうき気分になりました。演奏中はその女性から美しい音楽愛が漂ってきました。愛の歌、セレナードを聴くのにふさわしい心地よい空気に包まれ、二部の万葉集への期待がますます高まりました。

ところが、その女性が一部が終了し、休憩時間になったとたん、荷物全てをもって席を立ってしまわれました。なぜ???と残念な気持ちてんこ盛りになってしまいました。驚いたことに、その女性がなんと休憩時間の舞台に現れました。そして、ハープの後ろに座り、音を確認し始めました。隣の席に座っていらっしゃった女性はオペラ万葉集に出演する東京交響楽団のハープ奏者だったのです。袖すり合う隣に音楽家が座っていたのです。感動してしまいました。
「万葉集」でハープのメロディーに特に耳が傾いたのはこんなことも影響したのかもしれません。生の演奏を聴く楽しみにこんな素敵なおまけがつくとは思いもしない幸運でした。

都響プロムナードコンサートド ヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調

都響プロムナードコンサートド  ヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調

指揮者準・メルクル氏が指揮台に上がったとたん、サントリーホールを繰り返し波打つかのようなメロディが満たしました。メンデルスゾーンの序曲《フィンガルの洞窟》です。指揮者登壇と演奏の始まりが同時で、その不意打ちに一瞬戸惑い、次の瞬間、音の波に包まれる感覚となり、音楽に酔うとはこのことかと、演奏そのものよりしばらくはこの状態にいることに気持ちが傾いていました。これは初体験。メルクル氏はプログラム通してすべてそうでした。

フィンガルの洞窟は連なる柱状節理の壁、アーチ状になった天井が天然の大聖堂と称せられるそうで、それは写真を見てもわかります。とはいうものの、実際にそこに立った者にしか味わえない感動には手が届かず、もどかしい思いはぬぐえません。しかし、この序曲《フィンガルの洞窟》はそのもどかしさを取り除いてくれました。風景、潮風、波のうねりを体感できました。ホルンの音色が心に残りました。

 

なじみの深いドヴォルザーク:チェロ協奏曲ですが、2009年ロストロポーヴィッチ国際チェロコンクールで「最も将来性がある若手奏者」賞を15歳で授与されたチェリスト、エドガー・モローの演奏を楽しみにしていました。ちなみにこの年の優勝者は日本人では初めての宮田大さんでした。6月11日東京文化会館でその宮田大さんの演奏を聴きます。これも楽しみです。

エドガー・モローの演奏は「栴檀は双葉より芳し」ということわざを思い起こさせました。そしてこのチェロ協奏曲で今まで意識したことがなかったフルートとチェロの掛け合いに惹かれました。
万雷の鳴りやまぬ拍手にバッハ無伴奏チェロ組曲第3番「サラバンド」が演奏されました。重音に耳を奪われました。

 

 

シューマン:交響曲第3番《ライン》でもホルンの響きが印象に残りました。

今回、20列の真正面の席を確保しました。申し込むのが遅くなり、いいかなと思う席がそこしかなかったからです。チェロ協奏曲を聴く場合、20列は後過ぎました。オーケストラバックのチェロを聴くことを目的にするならば3、4列辺りでもよかったかもしれないと思いました。宮田大さんの東京文化会館は11列を確保しました。どうかな。

野鴨の家新春ライブ

日時:2018年1月14日(日)ランチタイム12:00~13:30 ライブ13:40~15:40

場所:野鴨の家

出演:華岡将生(フルート) 八木美恵子(キーボード)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャズ通はもちろん、ジャズ初体験の方にも楽しんでいただこうという欲張り企画、題して「華岡将生&八木美恵子ソフト・ライブ・コンサート」を京王八王子駅から徒歩1分でドアの前に立つことができる野鴨の家と夢空間La Musicaが初コラボで開きました。新春ということで着物姿でお越しいただきました方が何人もいらっしゃいました。落ち着いた雰囲気がジャズ演奏に溶け込みました。

幕開はジャズになじみのなかった方も自然と体でリズムを取りたくなってしまう曲が2曲並びました。題名は知らなくても、誰でもどこかで聴いている「A列車で行こう」「イパネマの娘」です。

ジャズの世界にどっぷりつかる路線を突き進むかと思ったところ、スウィング調の『赤い靴』、赤い靴を履いた少女が登場し、アメリカではなくヨーロッパをジャズにのって彷徨する展開に。ジムノペディ№1(フランス)~悲愴(ドイツ)~韃靼人の踊り(ロシア)への彷徨しました。聴く人それぞれに思い入れがある曲が出てきたようで、休憩時間にその感想を華岡将生さん(フルート)、八木美恵子さん(キーボード)に話しかける姿が見られました。

後半、日本に戻ってきた少女は南部牛追い唄(岩手県)~竹田の子守歌(京都府)~どうにも止まらない(東京?)~りんご追分(青森県)と彷徨をつづけました。

 

フルートの多彩な奏法、それを支え、曲のイメージに味付けをするキーボード、フルートとキーボードの掛け合いの妙、、、デュオの魅力が溢れていました。フルートが特殊奏法(ブレス・トーン)を駆使して演奏した民謡のメロディに心動かされたという声も聞かれました。

プログラム最後は心身を静かに癒すSmileでした。デュオのおしゃれで豊かな人間性がそのまま流れてくる演奏に包まれました。

華岡将生さん、八木美恵子さんが粋かつユーモアあふれる編曲でここだけのメロディーを作りました。ジャズならではの醍醐味でした。

【野鴨の家】

丸みを帯びた白壁、アンティークインテリア・グッズ、温かみのある照明器具も演奏に耳を傾けているのではないかと感じました。ここで過ごすひと時が特別の時間と嬉しく思える空間が広がっていました。

 

 

 

【野鴨の家のランチ】

たくさんのお客様に牛尾さん、シェフのお二人がこの日のためのメニューを用意してくださいました。

サービスをお一人でこなされた牛尾さん、調理をお一人でこなされたシェフには美味しいという感謝の声をたくさんお届けすることができました。

野菜、オリーブオイルの通やかな香りが漂うチキンのトマトソース煮込みでした。

 

 

アイリッシュハープ クリスマスコンサート

年月日:2017年12月23日(土)

場 所:ヴィ・マエストロ

出 演:梶伸子

アイリッシュハープ奏者梶伸子さんは学生時代、英語の先生にクリスマスの大切な三つの言葉として教えられたのは「Loving(愛する)」「living(生きる)」「Sharerinng(分かち合う)」だそうです。天から舞い降りてくるかのように感じるアイリッシュハープの音色に耳を澄ますうちに、この三つの言葉を知らないうちにこの三つの言葉を纏って、優しい空気を醸す集団が生まれていたように思います。

 

 

 

 

 

 

 

当日のプログラム

【ちいさなハープのクリスマス】

ブライアン・ボルー・マーチ
諸人こぞりて
クリスマスソングメドレー
The first Noel
クリスマスおめでとう ロマンティックversion
アメイジンググレース
The Rose

【歌と共に】

ロバのクリスマス
ジングルベル
きよしこの夜
世の人忘るな
諸人こぞりて
赤鼻のトナカイ
シチリアーナ
ジュピター

【アンコール】

主よ人の望みの喜びよ

 

曲の合間に挟まれる梶伸子さんのお話は音楽のお話、現代社会に潜む不確かさ、最近のトピックスなど多岐にわたる内容でした。その中でも中心になったのがクリスマスになぞらえて、雪、星、明かりの『キラキラ』(暮らしの中の輝き)がキーワードとして取り上げられました。また、情報ネット網が発達した今だからこそ自分の感覚を研ぎ澄ます、信頼する『静かな時間を持つ』提案もありました。それはアイリッシュハープの音色同様、優しく一人一人の気持ちにしみ込んだのではないかと思いました。

コンサート終了後、アイリッシュハープを弾く体験も行われました。希望された方は初めはこわごわですが、ご自身の爪弾きで生まれる響きに魅せられるのか、いつまでも放したくないという思いに駆られているのではないかと思わせる様子が見て取れました。ハープに抱え込まれている感覚になったのかもしれません。

 

お食事タイム

耳と気持ちは演奏に集中しているはずなのに、鼻がソムリエ原岡さんが準備している食事の良い香りに向いてしまう、そんな葛藤の後にお食事タイムが始まりました。「美味しいからワインを追加注文!」など明るい声も飛び交い、隣り合わせた方との会話も弾むいつもながらの和やかな時間が流れました。

メニュー *匂いに負けて、食べることにしか気持ちが向かず、今回は写真を撮り忘れてしまいました

ピクルス

エビと赤かぶのマリネ

スモークサーモンのモツァレラ巻き玉ねぎピクルス添え

鶏肉塩麴焼き

ポークときのこのソティ

サンドウィッチ(卵&ハムレタス)