アルフォーコinロゴスvol.Ⅴ

日時:2018年9月22日(土)14:30~

場所:日本基督教団ロゴス教会

出演:アルフォーコ <テノール:持木悠 澤崎一了 高柳圭 吉田連 ピアノ:高田絢子>

 

ユニット結成10年目を迎えたアルフォーコと観客が一体となった清々しく、感動する、そして楽しい3時間でした。コンサート終了後、お客様、アルフォーコ共に満面の笑顔だったのも印象的なコンサートでした。

日本歌曲

情景を描く美しい日本語、体になじむメロディを堪能できるのが日本歌曲です。高田絢子さんの伴奏ピアノが曲ごとの情感を一層際立たせます。

 

白月(はくげつ):澤崎一了

冴えわたる秋の月が美しくあたりを照らす夜の情景をゆかしい言葉で描いています。短い曲ですが、情緒纏綿とした曲想に日本人ならではの月を感じます。

「白月」とはどのような月のことかと大辞泉で調べたところ、次のように書かれていました。

【白く輝く月、冬の月、明月。古代インドの暦で新月から満月までの称】

<伝統色のいろはHP>に「月白(げっぱく)」という色名を見つけました。解説は次の通りです。

【月白(げっぱく)とは、月の光を思わせる薄い青みを含んだ白色のことです。色名の月白を「つきしろ」と読むと、月が東の空に昇るの際に空がだんだん明るく白んでいく様子を指し、特に月見客が十五夜を待ち焦がれる思いを表現しました。】

 

初恋(はつこい):持木悠

曲の始まりから引き込まれるとても美しい旋律の作品です。美しい旋律の中に深い哀しみが込められていると感じて、はかなく、美しく、胸を締め付けられる思いが強まります。

初恋が収められている歌集「一握の砂」以外にも「悲しき玩具」「あこがれ」などが石川啄木の作品としては有名です。盛岡にある石川啄木記念館に行くと、直筆の書簡などの展示もあり、啄木に近づけたような気持になります。

 

鳩笛の唄(はとぶえのうた):吉田連

白月の貴族的な響き(と思いました)とは違い、郷愁、土の香りが格調高い旋律で表現されています。

 

鳩笛について:出典(公社)青森県観光連盟が運営する観光情報サイト

下川原焼土人形。
藩政時代に津軽藩に召し抱えられた焼き物職人たちの冬場の仕事がこの「土人形づくり」。
白と紫と赤と緑と黄色の彩色は国内で例を見ないほどの眩しい色づかい。
しかしその笛の音は「ホーホー」と郷愁を呼び覚ます素朴な音色です。

小さな土人形に何色もの彩色を施す惜しみない手間をかけた土人形、下川原焼。土地の記憶が凝縮したものだからこそ、「ふるさと」の香りとおもかげが色濃くとどまる人形たち。

 

落葉松(落葉松):高柳圭

合唱でも耳にする機会が多い作品です。気品のある寂しさが漂い、心に染みます。気品の中にお洒落な雰囲気も感じられ、和製シャンソンと呼んでもいい作品かと思います。

落葉松は針葉樹なのに黄葉して、澄み切った晩秋にはらはらと辺り一帯を金黄金色に染めて降り注ぎます。その中を散策する時、人は詩人、歌人になるのかもしれません。

 

ヒットソングメドレー

SORA

「空」をテーマにした曲の数々をアルフォーコのアンサンブルで満喫します。ちょっと懐かしい、耳なじみのある童謡、歌謡曲、ポップスの数々がテノールの美しいハーモニーとなって現れました。

 

オペラアリア

 

「連隊の娘」より【友よ、何と晴れ晴れしい日だ】:吉田連

「愛の妙薬」より【人知れぬ涙】:持木悠

「トスカ」より【星は光りぬ】:高柳圭

「リゴレット」より【ほほの涙が】:澤崎一了

アルフォーコ5人が渾身の思いを込めて歌い、演じ、演奏するアリアは格別です。目の前で、息遣いや細かな表情まで感じ取れます。歌声の圧、登場人物の心模様、アリアに魂を込めるソリストたちの熱い情感を、高田絢子さんのピアノ伴奏が心地よく広げます。伴奏ピアノの醍醐味も感じていただけたらよいといつも思います。

「人間の声が、、、頭の中に、体中に響きました」「楽しい時間を過ごしました」という感想をいただきました。生でしか得られない感動がここにはあります。

 

カンツォーネメドレー

忘れな草~禁じられた音楽~彼女に告げて~マリュー愛の言葉を~とても君を愛している~オー・ソレ・ミオ

テノールの本領をいかんなく発揮するカンツォーネは、お客様の心のみならず、体までも乗せて、教会会堂全体に熱いウェーブが巻き起こります。

 

アンコール

「トゥーランドット」より【誰も寝てはならぬ】

誰でも知っていると言っても過言ではないほど有名になった【誰も寝てはならぬ】で、直前のカンツォーネの熱い熱気がさらにボリュームアップしました。最後のフレーズをテノール4人が目の前で、揃って歌う場面に出会うことは他ではないと思われます。アンコールでもアルフォーコの真摯な姿勢が表れていました。